第二章
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「お陰で部活では難が描いていなくて他の作業ばかりしてるわ」
「それでも部活はちゃんと出てるのね」
「さぼることなく」
「絶対に出てるのよね」
「漫画自体は好きだし」
それでというのだ。
「出てるわ」
「けれど絵の才能はないのね」
「どうしても」
「そちらは」
「ええ、どうしたものかしら」
さとみは悩んでいた、とにかく絵が下手なのでそれで困っていた。だがそんな時だった。
漫画研究会の男の方の部長が部室で某アニメの主人公の父親のポーズでしかも眼鏡をかけた姿でこう言った。尚この高校は生徒会も部活も部長は男女共に一人ずつというシステムになっていてさとみはこの部活では女子の方の部長である。
「インパクトが欲しいな」
「インパクトがですか」
「そうだ、我が部の同人誌に欲しい」
こう部員達に言った、部員達の中には当然さとみもいる。
「是非な」
「じゃあそうした漫画描きますか」
「そうしていきますか」
「いや、漫画自体は普通でいい」
同人誌として発表するそれ自体はというのだ。
「むしろその漫画を際立たせるだ」
「そうしたインパクトですか」
「漫画の方を際立たせるみたいな」
「そんな漫画ですか」
「そうだ、例えばだ」
部長はそのキャラの姿勢のまま部員達に言っていく。
「一面白の中に黒があれば目立つな」
「はい、白も黒も」
「相当に目立ちますね」
「それで印象に残りますね」
「我々の同人誌は絵が上手だ」
そうした部員に描かせているからだ、人選は部長が行っている。
「しかしその上手さを際立たせる」
「そうしたものが欲しいですか」
「ここは」
「漫画のイラストの上手さを引き立てる下手なもの」
「それが欲しいですか」
「それで私は考えた」
部長は強い声で言った。
「同人誌の最後にとっておきのイラストを入れて読者さんを笑わせて尚且つ漫画自体にも強烈なインパクトを与えることをな」
「まさか」
ここでさとみは察して言った。
「その絵は」
「そうだ、弓田君いいか」
部長は自分の隣の席に女子の部長としているさとみに言った、ただポーズはずっとその某キャラのもので指同士を組ませその上に顎を置いているものだ。
「君にイラストを頼みたい」
「私が絵が下手だからですか」
「そうだ」
見事な断言だった。
「君の絵は下手だ、最悪と言っていい」
「怒っていいですか?」
「怒るなら一人の時にしてくれ」
自分の隣で何処からか金属バットを持ちだしたさとみを見ることなく告げた言葉だ。
「私は暴力反対だ」
「それ立派な言葉の暴力ですよ」
「私は部の為に言っているのだ」
「やっぱり怒っていいですか?」
さとみはバットを持ったまままたこう言った。
「私今凄い頭にきてますし」
「
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