第一章
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画伯
弓田さとみは某工業高校で女性の方の生徒会長を務め漫画研究会に所属している。成績優秀で工業高校では少数派の女子でありルックスもいいのでよく才媛と言われる。だが。
実はさとみは絵が下手だ、それで漫画研究会では漫画を描けずそれで多少鬱屈したものを心の中に抱えている。
それでクラスにいる数少ない同じ女子高生達に言った。
「どうして私絵が下手なのかしら」
「ああ、それね」
「そのことね」
「折角漫画描きたくてこの学校に入ったのに」
自分の机の上に顔を左に向けてうっ伏しながら言うのだった。
「それでどうして」
「そう言ってもね」
「これはセンスとか才能があるからね」
「絵の上手下手は」
「どうしてもね」
「自分で描いて気付いたわ」
その時にというのだ。
「絵が下手だって」
「それでなの」
「中学校までの美術の授業でもわからなかったの」
「そうだったの」
「風景とかは普通に描けるの、美術とかの人物画もね」
それもというのだ。
「けれど漫画になると」
「下手なの」
「イラストとかも」
「そうなの」
「こんな感じで」
実際にここでだ、さとみは身体を起こしてそうしてだった。
ノートに少しあるアニメのキャラを描いてみた、すると友人達はこう言った。
「何そのキャラ」
「凄い変だけれど」
「某ゲームのインド人?」
「火を吹いたりワープしたりする」
「青い猫型ロボットよ」
それだとだ、さとみは友人達に答えた。
「それだけれど」
「全然似てないけれど」
「どうしてあのロボットがそうなるの?」
「本当にインド人に見えるわよ」
「手足が伸びてね」
これが友人達の感想だった。
「無茶苦茶凄いじゃない」
「これかえって才能じゃない?」
「何で猫型ロボットがインド人になるのか」
「想像出来ないけれど」
「ちゃんとあの青くてまん丸の猫型ロボットってわかってるの」
日本人なら誰でも知っているあのキャラだとだ。
「それが描いたらね」
「そうなるの」
「そうなの」
「実在人物描いても」
また描いた、今度は。
「妖怪?」
「随分禍々しいわね」
「悪魔に見えるけれど」
「あの大阪出身の野党の政治家さんよ」
今度はというのだ。
「いつも他の人がどうとか行ってる」
「ああ、歯の出た」
「実は自分が色々黒い噂のある人よね」
「昔捕まってるわね」
「あの人よね」
「あの人を描いたのよ」
そうしたというのだ。
「けれど悪魔とかに見えるのね」
「これあの人の内面かもね」
「ネットじゃ黒い噂で満載の人だしね」
「というか実際前科あるし」
「黒いのは確実ね」
「東北の地震の時も悪いことしたっていうしね」
「ううん、内面描いた
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