第壱話:綾波さんは揉まれたい
第壱話:綾波さんは揉まれたい(承)
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うなのですか?」
「にゃ。重桜でも昔はかなり若い段階で結婚して性的接触をしていたらしいけど、そのせいで障害が残ったり、最悪死亡するケースもあったと聞きいているにゃ。もちろん、明石達は艦娘だから、人間の女性とは比べ物にならないぐらい頑丈ではあるけどにゃ」
「ま、まあ、指揮官にしては珍しく遠慮してるんだよ、うん」
明石の言葉に、サラトガが曖昧に笑って補足を付け加える。確かに二人の言う通りだとすると、指揮官としては自分に気を使ってくれているが故に手を出さないのだろう。しかし、逆に言えば、自分は指揮官に気を使わせている存在なのだ。綾波としては指揮官に気兼ねなく付き合って貰いたい。遠慮なく手を出して欲しい。だが、それには自分の身体はまだ幼すぎるというのだ。
「でもさ〜、サラっちって、指揮官からよくセクハラされてるよね〜」
サンディエゴが今までの生活を振り返って言う。確かにケイトはサラトガにはベルファスト以上に際どいことをすることもある。だが、サラトガの身体は正直綾波以上に幼い。何故、サラトガにはそんなことをするのか。綾波の疑問はますます深まった。
「サラトガちゃんは、指揮官とは指揮官過程の時からの付き合いだし、当時からあんなんだったから、まだその時のつもりでいるんじゃないかな」
サラトガはそう言って、昔の事を思い出す。今から10年近く前、サラトガはケイトと艦娘を指揮官を養成する部内課程で出会った。彼は課程随一の問題児で、サラトガとは毎日のように悪戯合戦を繰り広げていたものだ。そう言えば、あの時盗まれたパンツがまだ一枚帰ってきていない。あれはいつ返してくれるのだろうか。
「…指揮官はサラには気兼ねしていない、ということですか」
少しむっとして、綾波は言う。サラトガは親友ではあるが、同時に指揮官の取り合いという面では最大のライバルでもある。なんだか差をつけられてしまっているようで、少し嫉妬してしまう。
「あやちゃんより私の方が好きとか、そういうんじゃない、と思うよ。アプローチの仕方が違うだけじゃないかな」
サラトガは綾波の心を見抜いて言う。その淡々と口調にはありのままの事実を伝える響きがあった。
実際、サラトガはケイトが綾波の事をどう思っているかを概ね理解しているつもりだ。だが、それはサラトガが言うべきことではない。いつか彼が彼の言葉で伝えるべきことなのだ。
「愛で方の違い、ですか…」
綾波はサラトガの言葉を聞いて唸って言う。それはケイトが言った事と同じである。彼は自分には嘘や誤魔化しを言わないし、彼をよく知るサラトガもそう言うのだから、そういうものなのだろう。でも、綾波としてはそんな気遣いなどして欲しくない。ベルやサラトガのように扱って欲しい、と思う。だが、それをどう言えばいい
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