マメに食べよう!豆料理特集・2
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がなぁ?五月雨」
そそっかしいやらせっかちやら。少しは落ち着け、五月雨。
「ご、ごめんなさいぃ〜っ」
「別に怒ってないから大丈夫です、五月雨ちゃん。提督さんは五月雨ちゃんが火傷とかしてないか心配したんですよ。ねっ?」
「お?おぅ」
春雨のナイスフォロー。お陰で泣いてた五月雨がにへらっと笑っている。
「お〜い、遊んでないで皮剥きしようよぉ」
そりゃごもっとも……すまん、水無月。
タッヒーナを作り終えた水無月も交えて、4人で黙々と蚕豆の皮を剥く。切れ込みを入れておいたお陰か、薄皮と実の間に水分が入り込んでいて、軽く力を加えてやればつるんと綺麗に剥けてくる。その感触がまた独特で、やっていて飽きない。
「それにしても、国際色豊かな料理だね」
「アメリカ、ブラジルにエジプト……言われてみればそうだな」
「何で和食の豆料理が無いんですか?」
純粋に疑問に思ったのだろう、春雨が首を傾げつつ尋ねてきた。
「あ〜……なんつうかその、和食の豆料理って、豆がメインの料理が少ねぇし、豆そのものを食う料理が少ねぇと思うんだよな。個人的に」
豆類の中で日本で一番消費されているのはぶっちぎりで大豆だろう。しかし、大豆そのものをそのまま料理する料理を思い浮かべてみてくれ。せいぜい、野菜とか蒟蒻と煮込む五目豆か、節分に使う煎り大豆位だと思う。
「あー、言われてみれば」
「確かにそうですよね。大豆の加工品は和食に欠かせませんけど」
醤油に味噌、納豆に豆腐におからに油揚げ、がんもどきに厚揚げ。豆乳に湯葉。最近だと肉に似せたソイミートなんて代物もある。
「そのまんま食べる枝豆とか蚕豆だって、せいぜい、塩ゆでするか蚕豆ならサヤごと焼くか位だろ?豆料理の豊富さなら日本よりも外国の方が勝ってる……っと、剥き終わったな」
「……あれ?予定より豆が多くない?」
「あぁ、別の料理にも使うんでな。ついでに茹でておいたんだ」
蚕豆の皮を剥き終わったら、フードプロセッサーやミキサーで蚕豆を細かくしてペースト状にする。それをボウルに移し、ニンニク、塩、スパイス、小麦粉、卵、パン粉を加えて練る。イモで作る普通のコロッケの生地くらいの手触りになればOK。水気が多かったらパン粉の量を増やして調整してくれ。
生地が出来たら生地をゴルフボール位の大きさに丸め、潰して円盤形に成形。周りにゴマをつけて、温めておいた油で揚げる。ゴマがカリッとしてきたら完成だ。
「ほれ、味見」
揚げて油の切れたターメイヤにタッヒーナを少しかけて、3人に手渡してやる。揚げられてカリカリになったゴマの衣の下から、スパイシーな風味の生地が顔を出す。イモのようなホクホク感は無いが、蚕豆
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