機動戦士ガンダム
2085話
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取りあえず念動力のレベルがいつの間にか上がっていた件については、それ以上深く考えても無駄なので、スルーした。
理由らしい理由は、それこそセイラのニュータイプ能力を上げた事くらいしか思いつかない為だ。
もし俺に以前持っていた相手のステータスを把握出来る能力がまだあれば、それこそセイラのニュータイプレベルがどのくらいなのか確認出来ただろうに。
何も言わなくても俺の言いたい事を分かるってのは……レモン達のように俺と付き合いが深く、長い相手であれば不思議ではない。
だが、セイラとは今日会ったばかりで、とてもではないが俺が何を考えているのかといった事を予想出来るとは思えない。
……あの異空間で俺の事を大分理解したらしいから、もしかしたらという可能性はあるのだが。
そして、多分俺の念動力のレベルが上がってる分、セイラのニュータイプレベルもかなり上がってるんだろうな、という予想も出来る。
具体的にどれくらい上がっているのかは、俺にも分からないが。
ともあれ、今はこの世界の常識を学ぶ事を最優先にする必要があるので、それ以上は考えず勉強に集中する。
最初はそれでも念動力について考えが向かったが、本を読んでいるうちに次第にそちらに集中していく。
そして、一体どれくらいの時間が経ったのか。
やがて扉の音が聞こえ、そちらに視線を向けると、色々と荷物を持ったセイラの姿があった。
1人暮らしだって割には、結構な量の配給品があるんだな。
「どうかして?」
「いや、何でもない。本の方は大体読ませて貰った」
もっとも、しっかりと全てを読み込んだという訳ではない。
俺がやったのは、大事そうな場所だけを特定して読んでいっただけだ。
この世界は、元々俺が知ってる世界とそう大差ないので、色々な世界との共通点が大きかったというのも理由だ。
「それで、どう?」
荷物を片付けながら尋ねてくるセイラに、俺はどう答えるか迷い……やがて、小さく頷く。
「特に問題はないな。大体は分かった。その辺りを大雑把に分かっておけば、この世界で暮らすうちに大体理解出来るようになっているだろうし」
「そう。……じゃあ、今日はこれからどうするの? てっきりもっと本を読むのに時間が掛かると思っていたから、特に予定は入れていないのだけれど」
そう言うセイラの言葉に、視線を時計に向ける。
そこに表示されてるのは、午後4時30分すぎ。
まだ午後5時前だった訳か。
……ん?
「そう言えば、セイラは医療ボランティアでサイド7に来てるんだよな? で、俺に会ったのは午前中。となると、今日の仕事は? まぁ、ボランティアで金を貰ってないから、仕事とは呼ばないのかもしれないけど」
「今日は休みだったの。それであそこにいたんだけど
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