21話→家族(前編)
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突っ込み所ありすぎて、突っ込みきれない。
テレポート部屋?
何処でも○アみたいなもん?
子ども部屋?
俺の部屋?でもそれなら『弟の部屋』って言うよな?
寝かしつけた?
俺、生き別れの弟や妹がいたの?
頭の中で疑問符や青い狸型ロボが踊りはじめた。
んー、んー、んー…………。
分からん!
分からないので、とりあえず姉について行くことにしました。
一方その頃、太郎は『てれぽーとへや』と大きなマル文字で書かれた部屋の前で、兎の帰還を待っていた。
チーン
電子レンジの終了音と共に、扉が開くといつものウサミミ、エプロンドレスの束が太郎の胸に飛び込む。
もう子持ちなのに、突然飛び出したり、突っ込んでくるのはどうだろうか。
と、太郎は思ったが、それをおくびにも出さない。
飛び込んでくる柔らかい体を受けとめ、いつも通り、束と軽いキスを交わす。
その挨拶に笑顔を浮かべながら、束は太郎と近況報告を交わす。
「相変わらずイイ身体してるねえ!」
「おまえもな。で、今は何処に?」
「潜水艦?オーストラリア南方かなあ」
七年前に、どさくさ紛れにIS領域内に接収した戦艦等の残骸が、立派になったもんだ。
材料費ほぼタダという素敵な巨大潜水艦を思い返し、笑みを浮かべる。
いや、リサイクルだよ、リサイクル。
「そうか。ふふ、七年前に基礎理論は出来ていたとはいえ、よくまあ長距離を自由に行き来できるもんだ」
ワープゲートなんて、フィクションの中だけの存在だったものが現実化するなんて、流石天災である(誤字にあらず)
「ふふ、天才ですから」
そう互いに笑い合うと、現状報告をしながら、『子ども部屋』へと急ぐ。
「クロエは来ないのか」
「うん、私とタローちゃん以外に会いたくないって」
その返答に歩みを続けながらも、太郎は眼鏡を弄りながら困惑の笑みを浮かべた。
「あの子の生まれから、気持ちは分かるんだがな。強さを求め過ぎる真似や、孤独を好む真似は余り頂けないな。今度また会って話さないと…………なんだその顔?」
「ナンデモナイヨ」
強さを〜の下りから変な顔をする束に、太郎は困惑する。
あれやぞ、確かに余りに身を捨てて攻撃に走るので、『捨て身過ぎる!』とか、『少しは防御を覚えろ!』とか、言ったよ。
変に癖がつくと命が危ないから、叩いて指導したのは確かだよ。
だが、ちゃんとフォローもしてるから、クロエとの関係は良好な筈なんだが…………
なんかカクカクになっている束を見て、少々心配になってくるが、すぐにクロエの元に行ける訳じゃないし、心を読める訳でもない。
仕方ない。今度また確認しよう。
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