第一章 護れなかった少年
第三十三話 決着
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Pがさっきまで満タンだったのにも関わらず一気に危険域まで持って行かれた。その切りつけられた衝撃で、前に倒れこむ。
「Come on......前だったらこんな一撃喰らわなかったろうに。お前、平和ボケでもしたか?」
そんな嘲る声を吐きながら、Pohはメイ達のところへ歩いていく。正確には、十字架の後ろに隠れていたほかのメンバー達のところへ。
「それじゃ、始めるかお前ら。It's show time!!」
その言葉を合図に、ザザとジョニーブラックがそれぞれの獲物を磔になったケイとメイに突きさした。
「むぅぅぅうううううう!!」
「んんんんんん!!」
猿轡を噛まされた二人の悲鳴が大部屋に響き渡る。
「てめえらぁぁあああああああああ!!」
衝撃の残る体に鞭をうち、立ち上がり駆け出す、が、ヤコブが正面に立ちふさがった。
「そこを......退けぇぇえええええええええ!!」
鯉口を切り、そのままヤコブに《閃》を発動する。瞬きよりも速く、刀が大気を切り裂いていく――が。その一撃は白いスキルエフェクトを纏ったヤコブの両手に挟まれた形で刃が静止した。真剣白刃取りと言われるそれは真っ向からの唐竹割りを受け止める技で、現実で使える技ではないと言われている。が、ヤコブは縦ではなく、横軌道でそれを成した。
ヤコブの技はそこで止まらず、そのまま手首を捻る。
周囲にパリィィィイン、という乾いた音が響き渡った。僕は刀――いや、今では刀とは到底言えない、それに目を向ける。手に残っていたのは光の粒子。刃の先端部分はヤコブの手に挟まっており、それも今光の粒子に変わった。
「......え?」
あまりの出来事に思考が停止する。何が何だかわからないまま......ヤコブの膝が腹にめり込んだ。その衝撃に肺の中の空気が一瞬で押し出される。
「グハァッ!? ァ"ッ――」
息が、吸えない。相当強い衝撃で横隔膜が麻痺を起しているのだろう。一時的なものですぐ直るとは言っても、その、すぐという時間は、戦いの中では絶望的に長い。
ヤコブが倒れて悶絶している僕を組み伏せる。肩を決められ、動けなくなる。
「もう動かぬことを勧めよう。おとなしく主の洗礼を受けるといい」
「Nice!! よくやったヤコブ。さぁ話をしようじゃないか」
Pohがそう言いながら僕を見て手を広げる。ここで戦う気は無い、とでも言うかのように。
「long time no see.久しぶりだな、ソラ」
「うるさい!! 話がしたいならメイとケイを離せ!! 話はそれからだ!!」
そう叫んだ瞬間。決められた肩をさらにひねられる。余計なことを言うな。貴様は黙って話を聞いていろ。そんな意志を感じた。
だ
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