03.過去語
ー水城涙ー
過去語ー水城涙ー 序章
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てあげるよ」
優しい口調で少年達に長外套を渡す。「あ、でもそれだけじゃ寒いよね。ウチ来る?」
少年は目を大きく見開き、少女を見ていた。何か、宝物を見つけたように目を輝かせて笑う少女を。
「………怪しい奴には着いて行きたくない」少年がぼそぼそと呟く。まだその目は尖った刃のように鋭く、少女を睨んでいる。が、その後ろには躰を震えさせる幼児達。もう数日程食事をしていない。そして、自分に言い聞かせるように少年は一つ、言葉を零す。「だけど……子供達のためだからな」
「アンタ、名前。俺は水城涙」
「おー、簡潔で良い自己紹介だ。私は琴葉。黒華琴葉だよ」薄く笑みを浮かべながら答える少女、琴葉は特に小さい幼児を抱きかかえ、来た道を戻る。
その後を着いて行く涙につられ、残った幼児達もその後に続く。
これが彼等の出会いであり、始まりであった。
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