第3章
月光校庭のエクスカリバー
第29話 聖剣、来ました!
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「──ここは?」
目を開けると、見知らぬ天井が見えた。
「確か、僕は──」
そうだ。はぐれ悪魔との戦いのあと、一人さまよい
歩いていた僕はフリード・セルゼンと再会した。そして彼は聖剣を持っていた。
彼と戦い、僕は──。
「目が覚めたか?」
突然投げかけられた声に反応して声がしたほうを見る。
そこには壁を背にして、腕を組んで壁に寄りかかっている明日夏くんがいた。
そうだ。フリードとの戦いに明日夏くんと見知らぬ女性が乱入して、そのあとフリードは呼び出しがかかったと言ってその場から去り、僕は彼のあとを追おうとしたけど、明日夏くんに引き留められて、それでも追おうとした僕を明日夏くんと一緒にいた女性が僕を気絶させたんだった。
ということは、ここは明日夏くんの家ということなのだろう。
そういえば、彼と一緒にいた女性がいないようだった。
「槐なら、他に用があるからあの場で別れた。それよりも体調はどうだ?」
明日夏くんに言われ、体の状態を確かめる。
体を蝕んでいた聖剣のオーラはもうすっかり中和されたのか体調はひとまず良好だった。
「・・・・・・とりあえず、大丈夫だよ」
そう言った僕は、明日夏くんと視線を合わすことができなかった。
冷静じゃなくなってたとはいえ、僕を助けに来た彼に僕は邪魔だと言わんばかりの態度をとったどころか、あろうことか殺気すらぶつけてしまった。
そのことが僕の中でうしろめたさとなって、顔をうつむかせていた。
「気にしてねえから、顔を上げろ」
明日夏くんはそう言うけど、それでも僕は顔を上げられなかった。
そんな僕を見たからなのか明日夏くんが嘆息される。
「とりあえず、今日は念のため学校を休め。部長には俺から言っておく」
それだけ言うと、明日夏くんは部屋から出ようとする。
「──待ってくれ」
そんな明日夏くんを僕は呼び止める。
「エクスカリバーのこと・・・・・・部長には──」
「もちろん報告する」
「ッ! 待ってくれ!」
それはダメだ! 部長に報告すれば、部長は間違いなく勝手をするなと関わることを禁ずるはずだ。やっと巡り会えたのに、みすみす見過ごすことなど──。
「どうやら、まだ頭が冷え足りないようだな?」
明日夏くんは僕に冷たく言い放つ。
「奴の性格はもう把握できてるだろ? 奴はおまえたち悪魔を屠ることに一種の快楽を覚えている。そんな奴が対悪魔用の兵器ともいえる聖剣、それもエクスカリバーを手にした。有頂天になって以前の戦いの借りを返す意味でも襲いかかってきたっておかしくない。当然、おまえだけじゃなく、イッセーたちにもな。そんな情報を伏せれば、イッセーたちにどれだけのリスクが発生す
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