暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜赤と紅と緋〜
第3章
月光校庭のエクスカリバー
第29話 聖剣、来ました!
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夏」

 処分って、まさか!?

「・・・・・・おまえが考えてる通りだ」
「ッ!?」
「そんな!? 主に仕える者がそのような!」

 アーシアも俺と同じことを考えてたのか、ひどくショックを受けていた。目元も涙で潤ませていた。

「・・・・・・悪魔は邪悪だって言ってるくせに、自分たちがやってることのほうが邪悪じゃないのよ! それを棚にあげて!」

 燕ちゃんが吐き捨てるように言った言葉を聞いて、明日夏が淡々と言う。

「──邪悪とか思ってないからだろ。それどころか、主のための尊い犠牲、自分たちの正義のためなんて本気で思ってたんじゃねぇか」

 なんだよそれ! なんの罪もない子供を殺すことが正義だって!?

「・・・・・・正義は、ときにもっともタチの悪い悪意、自覚のない悪意を生み出す。そして悪意を以て何かを踏みにじることがこの世で本当に邪悪なもの──兄貴の受け売りだ」

 冬夜さんがそんなことを言ってたのか。いや、でも確かにその通りかもな。

「・・・・・・あの子を見つけたときにはすでに瀕死だったわ。でも、一人逃げ延びたあの子は瀕死の状態でありながら、強烈な復讐を誓っていた。その強い想いの力を悪魔として有意義に使ってほしいと私は思ったの」
「・・・・・・それで部長が木場を悪魔に」

 そして、ここ最近まではその部長の想いに応えて生きていたが、あの写真を見て、聖剣──エクスカリバーへの強い復讐心で再び心を満たしてしまったということか。

「昨日も言ったけど、しばらく見守りましょう。いまの祐斗はぶり返した復讐心で頭がいっぱいになってるでしょうから。ただ、問題はその件のエクスカリバーがこの町にあることよ」

 そうだ。そのエクスカリバーをフリードが持っていて、そのフリードがこの町に潜伏している。そして、最悪なことに、そのフリードと木場が接触してしまった。復讐の対象が目の前に現れたら冷静でいられるはずがない!

「木場は本当に大丈夫なんですか!?」
「一応、使い魔に見張らせているわ。見た感じ、いまのところは落ち着いているわ」

 なら、いいんですが。

「祐斗も心配だけど、あなたたちのことも心配よ」
「フリードの奴は悪魔に関わることなら無差別に襲いかかってくるからな」

 確かに、あいつは契約しようとした人までも容赦なく手にかける。
 俺の脳裏に依頼人が無惨に殺されていた光景が浮かび上がる。

「とにかく皆、今後はしばらく単独行動は控えてちょうだい。とくに夜は」
「「「「「「「「はい!」」」」」」」」

 部長の言葉に全員が返事をしてうなずく。

「明日夏、千秋、鶫、燕。悪いけど、あなたたちにはしばらく悪魔活動をする子に付き添ってもらえるかしら。最低でも二人一組になるように」

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