第3章
月光校庭のエクスカリバー
第29話 聖剣、来ました!
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るか、考えるまでもないだろ?」
僕は明日夏くんの言葉に反論できなかった。
あの男が今度は他の眷属仲間を襲う可能性など、考えるまでもなかった。そして、情報が伏せられていたことで対処が遅れて彼の凶刃の犠牲になる可能性も同様だった。
「聖剣計画のことは部長から聞いた。肝心なところは聞けなかったがな」
そうか。部長から聞いたのか。肝心なところというのはおそらく、僕の身に起こったことだろうね。・・・・・・まぁ、おそらく、彼はもう察しているっぽいけどね。
「イッセーから聞いた。おまえ、エクスカリバーに復讐するために生きているんだってな?」
「・・・・・・復讐は何も生まないなんて言うつもりかい?」
「いや。そんな言葉で収まるほど、おまえの憎しみは軽くないだろ? そもそも、俺もそんな綺麗事を言えるほどじゃないからな。やめろなんて言わねぇよ。ただ──」
明日夏くんは真っ直ぐ僕を見据えながら言う。
「復讐と仲間──どっちを優先すべきかは考えるまでもないことだろ?」
明日夏くんの問いにうつむいてしまう。
「それとも、おまえとって、部長たちのことはその程度の存在でしかなかったのか?」
「そんなことはない!」
明日夏くんの言葉に思わず叫んでしまう。
部長には大きな恩があり、僕にとっては姉のような存在だ! 朱乃さんも小猫ちゃんも、それから、表に出てきていない彼も家族みたいなものだ! イッセーくんやアーシアさんも大切な仲間だ! 僕なんかにはもったいないほどの!
「でも、エクスカリバーに対するこの想いも忘れてはならないものでもあるんだ!」
睨みつける僕を見て明日夏くんはまた嘆息する。
「はぁ。とりあえず、皆のことを蔑ろにする気はなさそうだな」
それを確認した明日夏くんは部屋から出ようとする。
「仲間も大切なら、報告はさせてもらうぞ。しばらく冷静になってよく考えてろ」
明日夏くんの言葉に僕は無言になるしかなかった。
「それから、朝メシは作っておく。食う気になったら食ってくれ。食わないんなら冷蔵庫にしまっといてくれ」
それだけ言い残すと、明日夏くんは今度こそ部屋から退室していった。
―○●○―
「・・・・・・うーん・・・・・・体が重い」
朝になり、眠っていた意識が起きかけると、なんだか体が重く感じた。
「・・・・・・えっ」
目を開けると、部長、アーシア、千秋、鶇さん、燕ちゃんが俺のベットで寝ていた・・・・・・。しかもみんな裸で。
「なぁぁっ!? うわああぁぁぁぁっ!?」
一気に目が覚めて、俺は悲鳴に似た叫び声をあげてしまった。そしてその叫び声でみんなが起き出した。
「「あっ・・・・・・」」
ふ
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