暁 〜小説投稿サイト〜
妖精の尻尾所属の戦闘民族(旧)
原作開始・幽鬼の支配者編
第19話 妖精と幽鬼
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熟してきた本物の実力者の一人だ。

そして、仲間の中で信頼もある(・・・・・)
時々困っている仲間が居たら知らぬ顔で気づかないように手助けしたりすることがあり、周りからは照れ屋さん、素直じゃない漢、ツンデレと評されることがある。
妖精の尻尾の兄貴(アニキ)と言ったら、ラクサスだと言う者が居たりする。
ギルドを思い、仲間をも尊重する男。

彼がこの性格に早く成れたのは、やはりあの男のおかげか―――だが。

『―――こっちとらぁ忙しい身だ。依頼(クエスト)を今終わらせたところだが…すぐにそっちにァ行けねえ』

「……」

彼が向かったクエストの場所はここから随分遠い。
それこそ、一瞬で来れる距離ではない。

『――少し待ってろ、今からそっちに大急ぎで向かうからよ』

「…!ありがとう!ラクサス!!」

 お礼を言われて彼は通信先から目をそらす。
隣りにいるカナはその様子を「全く、本当照れ屋さんだねぇ」とからかうように言ってから彼の額に眉間のしわを寄せる。

『因みに、ミストガンのことも探してんだろ?』

「ええ…。…!もしかして、ラクサスはミストガンの居場所を知っているの!?」

「何!?それは本当かい!?」

もう一人のS級魔道士を話題に出し、ミラとカナは目の前の通信用魔水晶に身を乗り出して問いかける。
ラクサスはその二人の様子を見て為息を吐く。

『――この前も言ったが、あいつはシャイだ。オレたちの前に出て態々顔を出すようなことはしねェ』

それは丁度ギルドに新しいメンバー(家族)が加わってからミストガンが全員に眠りの魔法をかけた時だ。

【ミストガンはシャイなんだ。あんまり詮索するな】

思えばラクサスはミストガンの眠りの魔法が効かなかった。ならば、ミストガンと交流があるかもしれない。

『ミストガンがどこに居るかは知らねえ。だが――ミストガンなりに別のことをしてんだろうよ』

「別の…こと?」

「なんだよそれは…今私達が抗争してる間に他にすることがあんの?」

『あンだろ。例えば…支部の全滅、とかな」』

「「!!」」

『それによ、ジジイが倒れたことも含めて行動してるかもしれねぇ…おかげでオレがババア(ポーリュシカ)のとこに行く必要がねえな』

「そうか…ミストガンなりにも…助けてくれているのね」

「…それに顔も出さないで手助けしているって…ラクサスよりもシャイじゃない」

『おい』

「ははっ、わーってるわよ。言わなくても」

さっきまでお通夜のような雰囲気はなくなり、少しだけ空気が柔らかくなった。ミラとカナの表情には笑みが無意識に溢れる。


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