156 伏兵(ダークホース)
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の事件で嫌われた時に彼女がスケートの大会に出る事を藤木に薦めたと言っていた。また、リリィはもしみどりが藤木を好きになっているのならば藤木はみどりをどう思っているのだろうか?しかし、リリィその事について今は考えないようにした。
美葡が滑り出す。まずはトリプルサルコウ。そして着地するとすぐ様フライングシットスピンを決めた。そしてステップシークエンスをしてトリプルルッツとトリプルトウループを決めた。ターンした後、トリプルループ、しかし、これが転倒。そして足換えコンビネーションスピンを見せた。今度はダブルアクセル。そして彼女の必殺技ツイズルでターンし、そのままのキャッチフットでレイバックスピンを決めた。そして締めにトリプルサルコウをした。美葡が滑り終えた。
(どうか、美葡ちゃんの演技、高得点になってくれ・・・!!)
藤木はそう祈った。何しろ美葡は堀の友人であり、堀は不幸の手紙の事件で自分と友達になってくれた。その縁があってか、藤木は彼女も応援している。どうか彼女も全国大会の切符を掴んで欲しいと言うのが藤木の切実な願いだった。
美葡の得点が出る。140.50。古宮よりもわずかに上回った。同時に進藤の敗退は確定した。そして美葡は黄花を超えなかったため、金は無理だったが、銀か銅は決まった。後は有子の結果次第で古宮が銅を獲得できるかどうかである。現時点で古宮は三位の為、金と銀の可能性は消えている。
「なあ、藤木君」
「瓜原君、どうしたんだい?」
「あの有子って人、気にならへんか?わいはもしかしてあの人が金になりそうな気がしてうんや・・・」
「そういえばそうだね。リハーサルでは本気出していなかったって言ってたもんね・・・」
もしかしたら彼女は出場者達を驚かす番狂わせの伏兵になるのだろうか?藤木は彼女がより気になった。
『北北海道宗谷小学校、有子真羽さん。北海道大会金賞』
有子がリンクに現れた。そして滑り出す。ターンし出してすぐに見せたジャンプはトリプルループ。まさに美しい。瓜原が見せたジャンプより高く跳んでいるかもしれない。華麗にターンしていく。そして、ストレートでステップシークエンスをしてトリプルルッツ、トリプルトウループ。これも失敗がない。さらにフライングキャメルスピン。これもまた美しく決まった。
「凄い、ノーミスの上にこんなに綺麗に決まるなんて!!」
藤木は驚いた。
(リハーサルとは全然違う演技・・・。まさか本番の為にリハーサルでは無気力なふりをしていたって事!?)
古宮は有子に何かあるとは感づいていたが、彼女の演技があまりにも素晴らしすぎるので驚いた。もしかしたら彼女が上位に来て自分は敗退するかもしれない。そう思ってしまった。
有子の演技が続く。キャメルとレイバックのコンビネーションスピンを行った。そしてトリプル
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