三十三枚目
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強さ故に魔王になった。
だが果たして私は魔王であり続けていいのか…」
そんなにも、追い詰めてしまっていたのか…
「いいんじゃないか?お前の甘さは弱みだが、同時に強みだ。
俺はさ、サーゼクス。お前が優しい奴だってのはまぁ、知ってんだよ。
なんで知ってるかは言えないけど、知ってる。
だから、あの時お前に勝手に失望した」
サーゼクス・ルシファーというキャラクターは俺のお気に入りだった。
「してくれて構わないさ。
失望されるだけの事を言ったのだから」
「失望したけど、ソレを認めたくない俺もいたんだよ」
「はは…私も所詮は個人なのだよ。
魔王だなんだ言われていてもね」
魔王も、悩むんだな。
サーゼクスが背中を擦るのをやめ、お湯をかけた。
「おれもお前の背中流そうか?」
「是非とも頼んだ」
警戒心無さすぎだろ…
場所をかわり、スポンジでサーゼクスの背中を擦る。
腕が直接当たらないよう注意しながらだ。
「サーゼクス。もし俺がここでお前に光の槍を突き刺したらどうするつもりだ?
俺はお前に悪感情をいだいているんだぞ」
「『もし俺が』と言っているじてんでしないだろう。
それに、君がリーアが悲しむような事をするとは思えない」
そうきたか。
「君は親しい者のためなら命を投げ出せる漢だ。
親しい者を悲しませる事をするような者でないと私は確信している」
なるほど。リーアちゃんが信頼する俺を信頼している…という事か。
「そうか…」
ごしごしと背中を擦る。
大きな背中だ。
ルシファーとして、四大魔王の中でも議長として動く男。
「カガリ君。君はバラキエルをどう思っている?」
「どうって?」
「君は父親を誇りに思っているか?」
いうまでもない。
「誇れる。だから、父さんに誇れる息子になりたい。
手の中の全てを守れるほどに、強く」
「そうか…。カガリ君。あのときバラキエルは間に合わなかった。それでもか?」
「サーゼクス。それ以上言うなら本当に光の力で貫くぞ」
「すまない。ただ、もし私がバラキエルの立場で、間に合わなかったらと考えてしまう。
妻を、息子を、妹を、両親を、守れなかったら、自分はどうなってしまうのだろうかと」
「ふーん…」
確かに、あと一歩遅かったら、そう考える事もあった。
「サーゼクス。グレイフィアさんを信じてやれよ。
お前が認めたパートナーは、お前に守られるだけの女じゃぁないんだろう?」
「くく…そうだね…」
指をパチンッ!とならして、サーゼクスの頭に冷水をぶっかける。
「冷たっ!?氷水!?」
「あの時の言葉の仕返しだ」
「ささっさ寒
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