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空に星が輝く様に
182部分:第十三話 家へその十六
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第十三話 家へその十六

 そのうえでだ。何とか取り繕ってそれで話す。
「それでね」
「それで?」
「それはやっぱり」
 とりあえず話を元に戻してだった。星華はまた話す。
「仕方ないわよ」
「部活も違うしな」
「それは元からじゃない。部活はね」
「じゃあ何でだろうな」
「クラスが違うからよ」
 だからだというのだ。それはだ。
「だからよ」
「それでか」
「そういうこと。残念だけれどね」
 星華は本当に残念そうに話す。顔にもそれが出ていた。
 しかし陽太郎はそれがどうしてかわからない。そしてそのまま話すのだった。
「そうだよな。クラスが違うってのはな」
「残念よ」
 今度も本音を出す星華だった。相手に気付かれないまま。
「どうしたものかしらね」
「仕方ないよな、それは」
「仕方ないのね」
「ああ。けれど高校も一緒だからな」
 ここでだ。陽太郎はまた気付かないまま話す。
「佐藤何で八条高校にしたんだ?」
「えっ!?」
「しかも普通科に」
 こう星華に言うのである。
「何でなんだ?それって」
「えっ、それはって」
「だから何でなんだ?」
 また星華に問うた。何も気付かないまま。
「確か商業高校希望だったよな」
「ええ」
「八条高校って商業科もあるのにさ」
「ちょっとね」
 星華はここでは取り繕った。またしてもだ。
「大学に行こうと思って」
「大学にか」
「うん、八条大学ね」
 その大学の名前も出した。
「経済学部に行こうって思って」
「ああ、家のお店継ぐ為にか」
「ほら、私長女じゃない」
 取り繕いが顔にも出ているがだ。それでも話すのだった。
「二人姉妹のね」
「星子じゃ駄目か?」
「星子も八条大学に行くつもりだけれどね」
 これは事実だった。事実を話すことは特に後ろめたさは感じなかった。
「やっぱりあれじゃない。大学で勉強してからの方がお店にいいじゃない」
「そういうものか」
「だからなの」
 そういうことにするのだった。
「それでなのよ」
「それで急に八条大学だったんだな」
「その通り。わかってくれた?」
「頑張ってるんだな」
 陽太郎はここまで聞いて微笑むのだった。
「御前も」
「頑張るわよ。そういえばあんたも」
「俺?」
「経済学部だったわよね」
 このことは密かに聞いていた。それを隠して問うたのだ。
「志望は」
「それか法学部かな」
「どっちかなの」
「どっちかに行こうって思ってるけれどさ」
 今は少し迷っていたのだ。少しばかりだ。
「どっちがいいかな」
「経済学部がいいわよ」
 星華はこのことは必死に話す。
「絶対にね」
「経済学部?」
「そっちの方がいいわよ」
 必死の顔で陽太郎に話していた。

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