第64話 第6次イゼルローン攻略戦 1
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ヴァルディ少将の言葉にホーウッド中将が顔を顰めながら頸を振り非賛同意志を見せる。
「参謀長、コーネフ大将とあのホーランド大佐が言う事を聞くと思うか?」
ホーウッド中将の言葉に皆が頷いた。
「つまり本部長閣下は、第7艦隊にその火消し役としての働きを求めていると言う訳ですな」
寡黙に徹していた揉み上げと繋がった立派な顎髭の第3分艦隊司令官リー少将が的確な話をする。
「少将の言う通りだな、恐らく作戦はかなりの苦難をもたらすだろう、此はワイドボーン、ヤン両准将の意見も同じだ」
ワイドボーンとヤンという名前に皆が納得した顔をする。それほど両人は最近の同盟で有名人と成っているのである。
「ワイドボーン准将、ヤン准将が推測しているならかなりの確率で当たりますな」
「其処で貴艦隊に第6次イゼルローン攻略戦中に敵が取り得る作戦をシミュレートして此に纏めてある。貴官らは此で研究を行い非常時に備えて貰いたい。本来であれば私が言うのは職責に問題があるのだが、座して同盟軍の危機を見過ごす事は出来んからな」
シトレの決意に身の締まる思いのしたホーウッド中将以下の指揮官達はこの戦いの火消し役に徹する事を心に誓ったのである。
「判りました、我が第7艦隊は作戦の為に努力致します」
「頼んだぞ」
シトレに見事な敬礼を見せて退席するホーウッド中将以下の面々であった。
その日から第7艦隊の面々は、リーファとワイドボーンが監修しヤンが作成した敵作戦と味方が取り得るべき対抗策のシミュレーション訓練を行いはじめた。作戦案は普段のヤンとは思えないほどの説得力のある資料であった為、第7艦隊は必死に研究と訓練を行っていった。無論ハイネセン出撃後は実際の訓練を行う事にしたのである。
宇宙暦794年9月10日にアップルトン中将指揮下の第8艦隊9,000隻が、ハイネセン第8軍事宇宙ステーションから訓練と称して発進した。
第8艦隊はヴァンフリート星域会戦で、包囲殲滅中の敵艦隊の突破を許した際に3,000隻に及ぶ喪失と同数の損傷艦が出た挙げ句に、旗艦クリシュナを大破させられた為、今回6,000隻も少なく、旗艦も分艦隊旗艦FBB47 プロテシラオスに将旗を移していた。
プロテシラオス艦橋内では、アップルトン提督が復仇の念に燃えていた。
「いいか、今回の戦闘は楽勝だ。敵は混乱しているのだからな」
「「「おう」」」
艦橋内の楽観主義は艦隊全体に流れて行き、非常に危険な兆候になっていった。
続いて宇宙暦794年9月13日にアル・サレム中将指揮下の第9艦隊12,000隻が、ハイネセン第9軍事宇宙ステーションから訓練と称して発進した。
第9艦隊はヴァンフリート星域会戦後半戦で、包囲を突破しイゼルローン回廊へ逃げ帰る敵艦隊を待ち伏せ攻撃を行
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