猫娘と期末試験編
NO.058 期末試験 四回戦目
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そして話し合った結果、作戦はすぐに実行に移される事になる。
「(緑谷さんの手助けになるためにも、こんなところで挫けているわけにはいきませんわ!)」
その思いとともに、八百万はとあるものを作りだしていた。
相澤は大氷河によって遮られたために二人が行動を起こすまで待っていた。
「(轟に関しては問題はない……が、八百万は体育祭から自信の無さが浮き彫りになっていた。だが、緑谷の一件で良くも悪くも八百万は成長できたのかもしれない……)」
そう相澤は分析している。
出久の事を聞いてから八百万の顔はどこか晴れやかの様な、悩みなど吹っ飛んだような軽快な表情になっていた。
相澤にとっては事が事だが素直に八百万も受け入れて将来のヴィジョンを描けるまでに成長できたのもまた事実だから出久には複雑の極みだが感謝しないといけない。
「(ふんっ……焼きが回ってきたか?)」
そんな非合理的な考えに、しかし悪くはないと相澤は思う。
そう思っていると、物陰からフードを被った二人組の姿が見えた。
「(囮か……それとも正面突破か? まぁいい。八百万、ここでどう成長できたか見させてもらうぞ)」
相澤はあえて自身から飛び込んでいった。
そして、
「やりましたわ!」
「ああ……やったな」
結果は、八百万の用意したマネキンによる二人いたかのような見え見えの囮に、相澤はわざとかかっていって、そして用意していた形状記憶合金の布とカタパルトを用意していた八百万が失敗もせずに相澤に向けてそれを射出して、そこに轟が炎を放って一気に元に戻っていく布によって相澤はすぐに捕縛されてしまった。
「やるじゃないか……合格だ」
こうして二人は相澤にカフスを嵌めたところで、
『轟・八百万ペア、条件達成!』
というリカバリーガールのアナウンスが入る。
相澤はそれで大人しくなりながらも八百万に聞く。
「……八百万、聞くがどうしてそこまですぐに立ち直ることができたんだ?」
「分かっているのに聞くなんて酷いですわ、先生。わたくしは緑谷さんの事を聞いて己の矮小さを痛感いたしました。ですからこんなところで立ち止まってしまっては緑谷さんにいつまでも追いつけないと思ったからです」
「そうか……お前ならきっと追いつけるさ」
「はい!」
二人だけ分かっているような会話に、だが置いてけぼりを食らっていた轟はというと、
「まぁ……俺も明確なヴィジョンは持ってるんだがな……」
と、呟いていた。
どういう内容かは本人の口からは話されなかったが、一体……?
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