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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
白幻影竜
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要のないものだった。興味の欠片も持たなかった相手に最低限答えれば終わり。そう考えていた彼はラクサスを凍り漬けにすると、そのまま拳を叩き込み、粉々に粉砕してしまった。

「ラクサスゥ!!」

六人いたはずの魔導士はすでに半数へとなってしまった。父の死からいまだ立ち直ることのできないカナはさらなる仲間の死に涙が止まらない。

「ローグ・・・」
「あぁ。わかってる」

次なるターゲットに視線を向けようとしたティオスはカナを見たが、すぐに視線を敵意を向けてくる二人へと切り替える。

「まだ挑んでくるか。予想よりもメンタルが強い」

これだけの力の差を見せ付けられても引くことのない三大竜の二人に笑みを溢す。対する彼らは、額から流れてくる汗が止まることはなかった。

「カナさん。あんただけでも逃げてくれないか?」
「え?」

スティングの言葉に動揺するカナ。今の自分では役に立たないと言われたのかと、心が乱れる。

「勘違いしないでほしい。あんたは強い。だが、こいつは格が違い過ぎる」
「正直、俺たちでは太刀打ちできない」

ついに本音が出てしまった。決して言わないようにと思っていた弱音。しかし、もうこれは認めざるを得ない事実なのだ

「こいつを倒せるとしたら、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の全員が一致団結して挑むしかない」
「全員を集めて、こいつを止めてくれ」

そう言われても、カナはこの場から離れるのが本当に正解なのかわからなかった。いや、そもそもギルダーツもラクサスも失った今の妖精の尻尾(フェアリーテイル)に本当にティオスを倒せるのか、それが疑問だった。

「早く!!」
「!!」

スティングのその声で怯えていたカナは涙を溢しながら、その場から立ち去っていった。それが本当に正解なのかは彼女にもわからない。それでも、今は彼らの言葉を信じるしかなかった。

妖精の尻尾(フェアリーテイル)なら、ね」

遠ざかっていく少女の背中を憐れみの目で見届けるティオス。彼は目の前の顔面蒼白の二人を見てタメ息をついた。

「お前たちなら時間もかからないだろう。すぐにでもシリルに追い付けるな」
「ナメんなよ!!」

ドラゴンフォースを解放し脅威の敵へと突撃する。当たって砕けろ、それしか道はないと二人は吹っ切れていた。

「白竜の鉄拳!!」
「影竜の斬撃!!」

左右からの二人の攻撃。ティオスはこれを回避することなく、受け止めると二人の頭が激突するようにぶつけ合う。

「いっ!!」
「くっ!!」

痛みに顔を歪める二人。だが、彼らは自分たちを守るために命を落とした仲間のことを思い出せば、決して諦めることなどできなかった。

「まだまだ!!」
「俺たちは負けるわけにはいかない!
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