機動戦士ガンダム
2081話
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技術班謹製のハッキングツールもあるし。
「駄目よ」
短く、だが断固とした決意を持って呟くセイラ。
「何でだ? シャアを確保するのが、お前が嫌な未来を迎えない為には最善の選択肢だと思うけど?」
本当の意味で最善なのは、それこそシャアを殺してしまう事だろう。
だが、どうしようもない程に追い詰められているのであればまだしも、幾つも打つべき手がある状態でセイラがそれを許容するとは思えない。
幾らシャアが最終的に地球に小惑星を落とそうとしているのだとしても、今はまだ何もしていない、ただの1パイロットでしかないのだ。
そんな状況で、今はもうこの世にたった1人残った血縁を……兄を、セイラが切り捨てられるとは思えない。
「アクセルの記憶の中にあるのが、本当にキャスバル兄さんなのかどうか、分からないのよ」
「……は?」
セイラの口から出たいきなりの言葉に、疑問を抱く。
シャアとキャスバルが同一人物というのは、俺の知識にあった内容だ。
それをセイラも分かっている筈だ。
なのに何故?
「キャスバル兄さんが名乗っていた、シャア・アズナブルという名前……アクセルは知らないようだったけど、実際にシャア・アズナブルという人はいたの。それも、キャスバル兄さんと瓜二つの。……もしかしたら、あのシャアは私の兄さんではなく……本物のシャア・アズナブルなのかもしれない」
「あー……セイラなら分かってると思うけど、俺の中にある知識はかなり曖昧なものになっている。俺にはお前の言ってる事が理解出来ない」
「ふふっ、私にしてみれば、アクセルの存在の方が理解出来ないわよ。何故この世界の未来を知っているのか……ともあれ、お互いに話をした方がよさそうね」
落ち込んでいた気分を吹き飛ばすように、セイラはそう告げるのだった。
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