機動戦士ガンダム
2081話
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意味なのかを理解し、肩を抱いていた手を離す。
「言っておきますけど、私は他の人達のように簡単にアクセルを好きになるという事はないわよ」
「いや、それは別に……待て」
何でもないように話してきたセイラの言葉に返そうとして、俺は言葉を止める。
もしかしたら、息も止まっていたかもしれない。
今、明らかにセイラは俺の事を知っているかのように喋らなかったか?
もしかして、あの妙な空間で俺がセイラの事を理解したように、セイラもまた俺の事を理解したのか?
「セイラ、お前……俺の事を知ってるな?」
「ええ、知ってるわ。アクセルがどこから来たのか……そしてどのような生活をしてきたのかも。何より、キャスバル兄さんが……」
そこで感情が昂ぶったのか、セイラが言葉に詰まる。
目の端には涙が溜まっており、それがセイラの受けた衝撃の大きさ、抱いている悲しみの強さを表していた。
「……何を知った?」
セイラは、俺の中からこの世界に関する情報を得たのだろう。
だが、俺の中にある記憶は、ニュクスに食われてしまった影響で、俺自身にもそれがどのような記憶なのかを知る事は出来ない。
だからこそ、セイラが何を知ったのかは、俺の記憶ではなく……直接セイラに聞く必要があった。
「キャスバル兄さんが、コロニー落としみたいにして、巨大な小惑星を地球に……」
コロニー落とし?
一瞬その単語の意味が分からなかったが、巨大な隕石を地球にというのを聞けば、コロニー落としという言葉の意味を理解出来る。
つまり、それは言葉通りの意味でコロニーを地球に落とすという方法の事だろう。
……何でわざわざ宇宙に住む者が、自分の住むべきコロニーを地球に落とすのかは、俺にもよく分からない。
別にわざわざコロニーを落とさなくても、それこそ今セイラが言っていたように、小惑星か何かを落とせばいいんだけだと思うんだが。
まぁ、コロニーとかならきちんと規格とかが決められているだけに、落下計算とかそういうのが楽だというのがあるんだろう。
ただ地球に落とせばいいだけなら小惑星でも問題はないが、きちんと狙った場所に落とす場合はコロニーが相応しいとか、そういう事か。
「なるほどな。……で、どうする? それを止めるというだけなら、方法は幾らでもあるぞ」
それこそ、キャスバル……シャアは、現在名前を偽ってジオン軍で赤い彗星として動いているのだ。
であれば、居場所を見つけるのも難しい話ではないし、その気になれば俺ならシャアを生け捕りにするのは難しい話ではない。
……まぁ、今の状況ではシャアがどこで戦っているのかを知るのが色々と大変になるが……その辺りは、サイド3に行ってハッキングなりなんなりをすれば、見つける事は可能だと思う。
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