第63話 混沌の終演
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出来ませんな」
「そう言う事だよ」
「それにしても、儂等が負傷したばかりに、又ぞろイゼルローンに突っかかるとは」
「コーネフ大将の焦りですかね」
「そうかもしれんな、儂が死んでいれば、総参謀長辺りだと考えて居たんだろうな」
「アップルトンもアル・サレムも昇進できませんでしたからね」
「一将功成りて万骨枯る」
ロボスがしみじみと呟く。
「単なる昇進の為だけに、将兵をすり潰す事は出来ませんね」
「そうだな。此からもそうしたいモノだ」
「今回の事は、シトレ元帥やお嬢さんが何とかしてくれますよ」
「そうして貰いたいモノだ。出来る限り犠牲を少なくして欲しい」
「そうですな」
帝国暦485年8月12日
■オーディン 軍務省
宇宙艦隊司令長官後任人事にが暗礁に乗り上げた帝国に、フェザーンからの情報で11月ないし12月に同盟軍が六度目のイゼルローン攻略に乗り出すという情報が入ってきた。
此処に至って、帝国の危機と言う事になり、イゼルローン要塞に増援を送らなければ成らなくなった。その為、緊急に宇宙艦隊司令長官を決めねばならなくなったが、派閥の抗争が未だ収まらないために、皇帝陛下の勅命により急遽シュタイホフ元帥が宇宙艦隊司令長官代行を行い、実戦部隊を率いる宇宙艦隊副司令長官に経験実績が尤も高いウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ大将を充てる事に成った。
皇帝陛下に拝謁するメルカッツ大将は緊張していた。
「メルカッツ大将、卿には苦労かけるが、頼むぞ」
「御意、陛下のご期待に添える様に致します」
「うむ、期待しておるぞ」
結局、リーファの危惧したように、帝国の混乱は収束に向かい、帝国が滅んでは内輪もめをしている場合ではないと、不平貴族も一時的に大人しくなってしまい、帝国の内乱は今暫く起こらなくなったのである。正しく地球教の思惑通りに成った訳である。
帝国暦485年8月30日
■オーディン 軍事宇宙港
宇宙艦隊副司令長官メルカッツ大将率いる帝国軍イゼルローン要塞増援艦隊は総数1万5000隻がイゼルローン要塞へ向かいオーディンを旅立った。その中に少将に昇進したラインハルト率いる3000隻の分艦隊も含まれていた。
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