第63話 混沌の終演
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。それに此処に居るおじさんも話し相手でいるしね」
ロボスの言葉に横にいる、グリーンヒル総参謀長が苦笑いする。
「そうだよ、カリンちゃん。おじさんも、お父さんと話して居るから、寂しくないよ」
「何だ、娘が見舞いに来ないと、寂しがっているじゃないか」
ニヤリとしながらロボスがチャチャを入れる。
「閣下のお嬢さんと違い、家の娘はヤン准将に首ったけでしてね」
「修羅場っていうのかな?」
カリンの言葉にみんなが顔を見合わせる。
「使い方が違うわね、こういう時は、お父さん寂しいかしらね」
ロボス夫人がぼけた答えをして、更に座がしらけた。
「可哀想なおじさま。私で良ければ、おじさまの子供の代わりをしてあげるね」
優しく微笑むカリンを見て、みんなが幸せな感じになった。
「ありがとう。カリンちゃん」
「えへ。どう致しまして」
楽しい時間が過ぎて、カリンたちは帰って行った。
「お父さん、おじさま、まったねー」
「ああカリンも気を付けて帰るんだよ」
「カリンちゃんありがとうね」
夫人やカリンが帰った後でロボスとグリーンヒルが話していた。
「カリンちゃんは良い子ですね」
「だろう、あの子は目に入れても痛くない」
ロボスはグリーンヒルの話しに凄く嬉しそうに受け答えする。
「家の娘は、ハイネセンに居てもちっとも見舞いに来てくれませんから」
「恋は盲目と言うからな、リーファも凄かったが、年頃と言う事も有るのだろうな」
完全に身の上相談になりつつ病室である。
「まあ、今はヤン准将の臨時の副官として一緒ですし」
「ほう、シトレも意外とやるな」
「まあ、酷い話ですよ」
「はは、子供は何れ旅立つモノだからな。それに娘さんは、エル・ファシルでヤン准将に助けられて以来彼のファンなんだろう、士官学校に入ったのもヤン准将に近づきたい為だそうじゃないか」
「そうなんですよ、娘が士官学校へ入校すると聞いた時は私の後を追ってきたと思ったんですがね」
「女の子は彼氏が出来れば、そうなるのだよ。今の内に覚悟しておいた方が良いぞ」
「はぁ。妻が亡くなった後、男手一つで育ててきたんですけどね」
「まあ、ヤン准将も怠け者だが、立派な人物じゃないか、諦める事だ」
「確かに、ヤン准将は有望ですが」
「ははは、時を待つしか無いぞ」
「所で、この前、お嬢《リーファ》さんが、お見舞いに来たときに話していた、元帥が統合作戦本部長にならないのは、カリンちゃんの為だというのは本当なんですか?」
「ああ、本当だとも。儂も以前は統合作戦本部長を目指した事もあったが、シトレを見ていて判ってな。あんなに忙しいのでは、カリンとゆっくり過ごす事を出来ないからな」
「なるほど、確かに本部長は激務ですから、家族サービスなど
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