第63話 混沌の終演
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して、それから対応策を出す方式を行っていた。
つまりは、ラインハルトによる狩りを不可能にするか、被害を最小限度まで落とす作戦を考えてるのである。数日前情報部からの報告でラインハルトが少将に昇進したと判ってからは、確実にラインハルトの戦法をトレースしながら、対応策を入力している。
20パターン以上にも及ぶ作戦をラインハルトが試す事がほぼ確定なので、そのパターンを原作で見事に推測し後一歩までラインハルトを追い詰めたヤンに対応策を立てさせる事をリーファは考えて、シトレ元帥に頼んでヤンの尻を叩いて貰ったのである。更に、撤退時の作戦なども研究させる予定であった。
「ヤン准将、この資料を照査し確実に敵艦隊を屠れるように研究したまえ」
「此を1人で全てですか?」
「そうだ、数が多くて大変だろうから、今回特別に副官も付けるので頑張ってくれたまえ」
そう言いながら、含み笑いのシトレがインターホンで呼び出したのはヤンも良く知る女性であった。
「グリーンヒル少尉入ります」
「入りたまえ」
入ってきたのは、この年の6月に任官したばかりのグリーンヒル総参謀長令嬢であった。
「フレデリカ・グリーンヒル少尉です。よろしくお願いします」
フレデリカの登場にヤンは驚きを隠せない。
このサプライズはリーファがシトレに頼んでヤンのお目付役としての働きを期待したのである。
「グリーンヒル少尉、御苦労」
「ああ、宜しく頼むよ。グリーンヒル少尉」
ヤンはしどろもどろで挨拶する。
「さて、ヤン准将、グリーンヒル少尉、確り頼むぞ」
「はぁ」
「はっ」
「グリーンヒル少尉、ヤン准将は怠け者だから、確り尻を叩いて、仕事をさせてくれ」
「はっ」
「本部長、酷いですよ」
あくまで真面目に受け取るフレデリカ。
それをニヤニヤしながらシトレがヤンに話をしたのである。
「尻を叩かれん様に頑張るんだな」
この日から、二週間ヤンとフレデリカの不器用な上官副官関係が続いたのであった。
宇宙暦794年8月11日
■自由惑星同盟 首都星ハイネセイン ハイネセン軍病院 特別室
ヴァンフリート星域会戦で重傷を負った宇宙艦隊司令長官ロボス元帥と宇宙艦隊総参謀長グリーンヒル大将は当初は1人部屋であったが、妻やカリン達が毎日お見舞いに来るロボス元帥に比べて、統合作戦本部に居る娘すらヤンの元に四六時中一緒に居るために、月一程度しかお見舞いに来なかったのである。
その為、寂しかろうと、ロボス元帥が自分の特別室へグリーンヒル総参謀長を話し相手として呼び寄せて2人部屋と成っているのである。今日も病室はカリンと妻のお見舞いを受けて居る。
「お父さん、寂しくない?」
「大丈夫だよ、カリンが毎日来てくれるから、寂しくなんか無いよ
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