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レーヴァティン
第五十八話 神仏の存在その十

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「あの帝王達もだったな」
「はい、まずはでござった」
「治水からはじめていたな」
「そしてでござる」
「全てをはじめているな」
「怪神を倒した話もあったでござるが」
 中国神話においては帝王とこうした神との対決は多い、黄帝と戦った蚩尤もそうであるし共江や相柳もそうである。
「その多くもでござる」
「水の怪神が多いな」
「はい、これも治水の例えでござる」
 洪水や氾濫を神にして描いていたというのだ。
「まさに」
「それだけ治水は大事だな」
「そうでござる」
「だからこの島でもな」
「何につけてもでござる」
「治水だな」
「それからはじめるべきでござる」
 こう英雄に話した。
「拙者はそう思うでござる、とはいっても中国ではでござる」
「黄河、長江は大河だからな」
 中国を代表する二つの大河だ、この二つの大河が中国という国そしてその文明を育ててきたと言って過言ではない。
「それだけにな」
「はい、治水が最大の関心だったでござるが」
「日本、そしてこの島は違うな」
「はい、あそこまでの大河はないでござる」
 自分達が起きている世界も今いる島もというのだ。
「どちらも」
「そこは違うな」
「中国では大河は全てと言っていいでござる」
「黄河が氾濫するとな」
「恐ろしい犠牲者が出たでござる」
 中国の歴史ではその惨事が書かれてもいる、この河は氾濫した時は非常に恐ろしい事態を引き起こしてきたのだ。
「そして街まで流されていたでござる」
「そうした大河だったからな」
「治水は何よりも」
 まさにというのだ。
「重要だったでござるが」
「そこは違うな」
「この島はそこまではでござる」
「治水をしないと全てが崩壊する」
「そこまでは至らないでござる」
「そうだな」
「しかしそれでもでござる」
 中国とこの島、そして日本の違いを述べたうえでだ。智は英雄に対してあらためて話をした。
「治水が政の第一でござるのは」
「変わらないな」
「はい、よい田畑の為そして民を守る為に」
「堤も築いてな」
「そうしていかないとでござる」
「どうしようもないな」
「だからでござる」
 それ故にというのだ。
「まずはでござる」
「治水だな」
「何といっても、そして岐阜から名古屋に至る川達は」
 智は周り、今自分達がいる川の両岸を見た。見れば岸は何処を見てもだった。
「これといって堤がなく」
「何かあるとな」
「はい、川と陸の高さも変わらないでござる」
「平地が多くな」
「これでは氾濫が起きやすく起これば」
 そうなればというのだ。
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