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レーヴァティン
第五十八話 神仏の存在その八

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「非常に栄えていて」
「賑やかな街だな」
「確かな領主が治めていまして」
 それでというのだ。
「見事な城もあります」
「名古屋というからには名古屋城だな」
「そうです」
 その通りという返事だった。
「この辺りで一番の城です」
「名古屋城はか」
「堂々とした天守閣があり」
「城構え自体もか」
「見事です」
 そうした城だというのだ。
「まことに」
「そうか、ではな」
「名古屋城も」
「中には入られないだろうが」
 領主が住んでいてだ、そうした場所に入ることが出来ないであろうことは実に容易に察しがついた。
「しかしな」
「外からですね」
「見ていよう」
「そうしてですね」
「どういった城か観る」
「今後の為にも」
「そうしたい」
 名古屋城もというのだ。
「是非な」
「それがしやったら忍び込めるな」
 ここで言ったのは耕平だった、忍者である彼だった。
「ちょっとやそっとの城はな」
「そしてか」
「城の隅から隅までな」
「見られるか」
「姿も気配も消せる」
 その両方をというのだ。
「そして音も立てずにや」
「移動出来るからか」
「どんな城でも忍び込もうと思えばな」
 それこそというのだ。
「入って見て回ることが出来るで」
「では城を頼めるか」
「中を見て回ることをやな」
「それを頼む」
「そしていざって時は」
 即ち攻める時はというのだ。
「それがしが見たものをやな」
「生かす」
 そうして攻めるというのだ。
「どんな堅城もその中を知るとな」
「攻められるさかいな」
「そうだ、絶対に陥落しない城はない」
 英雄は強い声で言い切った。
「決してな」
「その通りや、どんな名城でもや」
 耕平も応えて言う。
「絶対に陥ちん城はない」
「その通りだな」
「所詮人間の造ったもんや」
「ならばな」
「攻め落とせん筈がない」
「その言葉を現実にする為にもな」
「名古屋城のこともか」
「調べてもらう、いいな」
「わかったわ、名古屋に入ったらな」
 耕平は英雄に笑って応えた。
「城にも入るわ」
「姿も気配も音も消してだな」
「それで行くわ、それがしは今この島で一の忍や」
 耕平はこの自負も見せた、彼にとってはこのことも揺るがない自信の一つでありそのうえで修行も戦いも行ってさらに強くなろうとしているのだ。
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