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空に星が輝く様に
172部分:第十三話 家へその六
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第十三話 家へその六

「遠慮なくね」
「遠慮なくって」
「月美はもう少し積極的にいった方がいいのよ」
 今度は娘の背中を押す言葉だった。
「もっとね。それで丁度いいから」
「丁度って」
「はい、続けて」
 娘の言葉を打ち切ってさらに告げたのであった。
「そういうこと。それじゃあね」
 楽しげに微笑んで部屋を後にする。こうして二人はまた二人になった。
 月美がだ。最初に陽太郎に言ってきた。
「あのですね」
「うん、どうしたのかな」
「お母さん塾を経営していまして」
「塾をなんだ」
「はい、八条学習塾」
 その塾の名前も話す。
「名前は知ってますか?」
「予備校もやってない?そこって」
「やってます」
 その通りだというのであった。
「予備校もしていて。兵庫じゃ結構」
「そうだよな。俺は違う塾だったけれど」
「御存知なんですね」
「ツレが何人か通ってたから」
 だからだというのである。
「知ってるよ」
「そうだったんですか」
「そうだったんだ、そこの経営者だったんだ」
「はい、一応八条グループの傘下ですけれど経営を任されていまして」
「八条グループの」
「はい、そうなんです」
 このことは自分から話した月美だった。
「そこの塾なんです」
「そういえば八条グループってそっちの方も進出していたっけ」
「何でも進出していますよ」
 こう陽太郎に話す。
「参考書も出してますし」
「出版もだったんだ」
「漫画雑誌も出してるじゃないですか。ほら、野球だって」
「ああ、八条リーグね」
 グループだけでプロ野球を設立しているのである。こうしたこともしているのだ。
「あれね」
「あれもいいですよね」
「うん、確かに」
 月美のその言葉に頷く陽太郎だった。
「そうだね、何しろジャイアンツはいないし」
「それが一番いいですか」
「俺巨人嫌いだからね」
 陽太郎はこのことは隠そうとしなかった。
「あのチームだけは好きになれないよ」
「私もです」
 そしてそれは月美も同じだった。彼女もであった。
「あのチームは。かなり」
「好きになれという方が無理じゃないかな」
「そうですよね。ここ関西ですし」
「俺の知り合いも巨人嫌いな奴ばかりなんだよな」
「愛ちゃんもですよ」
 月美はそれは椎名もだというのである。
「愛ちゃんあれでも野球好きで」
「そういえば阪神ファンだったっけ」
「はい、それもかなり熱狂的な」
 そうだと聞いてだ。陽太郎はその椎名が阪神のグッズに身を包んでいる姿を想像した。その阪神帽に法被にメガホンである。甲子園の一塁側のスタイルだ。想像するとだ。それがまた実によく似合っていた。
「凄いんですよ」
「そんなに凄いんだ」
「もう。阪神が巨人に負
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