第85話 後始末は自分の手でつけるのが世の中の鉄則 その5
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此処は相手を起こさないようにそっと退出しなければならない。
しかし、もし万が一隣に居るのが主だった場合、主をこんな見知らぬ場所に置いていく訳にはいかない。
その為にも隣に誰が居るのか確かめねばならない。
ゴクリと固唾を呑み込み、ザッフィーはそっとベッドのシーツを捲ってみた。
「・・・・・・」
「ZZZ・・・」
ザッフィーの目の前に映ったのは一人の女性の気持ち良さそうに眠っている寝顔だった。
もし、もし仮に今特に悩みとかなくて万事オッケーな状態であれば幾らでもこの気持ち良さそうに眠っている寝顔を眺めていたいと思えるのだが、生憎ザッフィーはこの女性に見覚えがあった。
(は? え? えぇぇぇ――――!!! 何で、何で俺がアルフと一緒に寝てるんだぁぁぁ―――!!! 有り得ない、絶対にありえないぞこれはぁぁぁ! 例え天地がひっくり返ったって太陽が西から登って東から沈む事があったってこんな事は断じて起こる筈がない! え? じゃぁ目の前で起こっているこれは何? 俺は何でこいつと同じベッドで寝てたんだ?)
脳内がパニックの絶頂状態にあるのを何とか表に出さないように努める。
それだけでもかなりの労力を使う事になるがこの際仕方ない。
ふと、ザッフィーはそっと更にシーツを捲ってみた。
何も身に着けていない。
彼女もまた、ザッフィーと同じように生まれたままの姿で同じベッドで眠っていた。
その光景を前にして、ザッフィーの顔は顔面蒼白を通り越して顔面白白状態になった。
さっきまで滝のように流れていた汗がピタリと止まる。
そして、同時に背筋を伝って来る不気味な悪寒。
ザッフィーはその不気味な悪寒が何を示しているのか何となく理解出来た。
(や・・・やってしまった・・・まさか、まさか15禁の二次小説の中で寄りにもよって越えてはいけない一線を越えてしまったと言うのか? 確かに、俺達の居た作品は元を正せばエロゲーの類だろうが、だとしても今の俺達のあれは深夜枠とは言え健全なアニメの枠に当たる。その枠に当たるキャラの俺が越えてはいけない一線を越えてしまったぁぁぁ―――!!! 不味い、このままでは非常に不味い。もしこの失態が世に広まれば・・・俺は盾の守護獣ならぬ守護『淫』獣と呼ばれる事になってしまう。そうなればお仕舞だ―――)
今まで以上に最悪な事態に直面した事に頭を抱え出すザッフィー。だが、何時まで此処でこうしていたって事態が好転する事なんて決して有り得ない。
ならば、今出来得る最善の行動を取らなければならない。
そう、隣で眠っているアルフが起きるよりも前にこの部屋から抜け出し、事の一部始終を闇に葬る。
そうと決まれば善は急げ。慌てず、かつ急ぎ足で行動に移した。
まずは
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