ある日の二人の日常風景
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ず見とれてしまった私をスルーして文姫様は扉の方へ。あわてて扉を開けようとした私がたどりつく前に器用に扉をあけて出て行かれてしまいました。
「曹操、私。入るよ」
そのまま何の迷いもなくリーダーの部屋へ…ってノックもしないで!?
「おはよ、曹操。食べよ?」
「ああ、少し待っていてくれ。このデータをまとめてから」
「曹操」
「……分かった。ああ、ブリギッドも来ていたのか」
「え、あ、はい…護衛をと、思いまして」
書類を見ていたリーダーが渋々といった感じではありますがお仕事を止めた!?基本的に誰に何を言われても仕事ばかりしているリーダーが…!文姫様強すぎません!?
「ほら、ブリギッドの分」
「あ、ありがとうございます…」
渡された茶碗とお皿を持って座る。手を合わせて挨拶をすると、文姫様がいつの間に持ってきていたのか急須で緑茶を注いで私に手渡してこられます。ちなみに文姫様自身は朝は白湯と決めているのだ、とご自分でおっしゃっていました。
自分たちのリーダーと、尊敬する方と一緒に食事をしている事実に若干緊張気味の私を尻目に、お二人はとても自然に会話をこなしておられます。まるで慣れ親しんできた日常の一コマのように。
考えてみれば、リーダーが英雄派を名乗る前から傍に居たのが文姫様ということですからむしろお二人で過ごした時間の方が、組織として過ごした時間よりも長いのでしょうね。心なしか文姫様と会話をしているリーダーは、普段さまざまなものを背負っている「英雄」から気負うことも飾ることもない「普通の人間」に戻っているような気がして、見ている私も思わず微笑ましくなってしまいます。
「曹操。今日は私、仕事が割り振られてないんだけど」
「ああ、君の出番はまだだ。なにせ“アレ”はまだ不安定だろう?もっとデータを散りたいが、君への負担が心配ではあるからな」
「……ん、分かった。じゃあ今日は曹操の部屋でのんびりしてる」
「ああ、わかった。いつものようにしていてくれ」
……………あれ、これ私護衛いらなくないですか?
「はい、これで上がり」
「………三連敗ですね」
がっくりと落ち込む。リーダーの部屋に陣取った文姫様が暇を持て余したのか、トランプを持ってきて何故か私と二人でババ抜きを始めました。
先ほどから連敗中です…文姫様のポーカーフェイス怖い。というかあれは勝てない。本当に表情を消しているとしか思えないんですが!
文姫様は将棋もチェスもそれなりにお強い。リーダー曰く「戦術眼は確か」とのこと。いや、そういうリーダーはもはやなんだっていうレベルなのですが。それに認められるって文姫様怖いんですが。
「…二人じゃ面白くないから曹操もやろうよ」
「…………そのために
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