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空に星が輝く様に
170部分:第十三話 家へその四
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第十三話 家へその四

「オーストリア人って普段からこんなのを食べてるのかな」
「ウィーンの甘さはこうした感じですよ」
「実際にそうなんだ」
「はい」
 まさにその通りだと話す。
「その通りです」
「ううん、それはまた」
「それがオーストリアの人達にはそのままの味になってます」
「そのままのって?」
「つまり。生粋の味です」
 月美はこう表現したのだった。
「それになってるんですよ」
「これがなんだ」
「例えばですね」
「例えば?」
「斉宮君お団子好きですよね」
「あ、ああ」
 少し戸惑いながらの返答になってしまった。
「そうだけれど」
「それと同じで」
「日本人には日本人の味かあ」
「それでオーストリア人にはオーストリア人の味です」
「成程、それでなんだ」
「はい、それでなんです」
 こう話すのだった。
「それでこの味がオーストリアの味になるんです」
「向こうの人にはこれがいいんだね」
「フランス人の好きなカマンベールチーズも」
「ああ、あれね」
 そのチーズのことは彼も知っていた。実際に食べたこともある味だった。だからすぐに味を思い出してそのうえで応えることができたのだ。
「あのチーズね」
「癖、強いですよね」
「結構ね」
「けれどあれがフランス人にはいいんですよ」
「何か匂いが凄いチーズもあるんだって?」
「はい」
 そうしたチーズについても話される。
「とても食べられないみたいな」
「それも向こうの人にはなんだ」
「丁度いいんです」
 そのチーズの話もするのだった。
「匂いも含めて」
「成程、何か勉強になるね」
「そしてですね」
 ここまで話してそれからだった。
「私、このザッハトルテに合うものを考えまして」
「それがこのロイヤルミルクティー」
「はい、うんと濃くした」
 またその話になる。
「それにしました」
「ううん、よく考えたね」
「コーヒーだとウィンナーコーヒーです」
「あはは、それはわかるよ」
「わかりますか?」
「だってオーストリアだから」
 陽太郎は笑顔で月美の今の言葉に返す。
「だからさ。合うんだよね」
「はい、オーストリアにはオーストリアで」
「それで紅茶はこうして」
「ウィンナーティーもありますけれど」
「ああ、ウィンナーコーヒーと一緒で」
「生クリームを上に乗せています」
 つまりただウィンナーコーヒーが紅茶に代わっただけである。それだけであった。だがコーヒーが紅茶に代わると全く違ってもくる。
「それです」
「それでもいいんだ」
「生クリームですから」
「そうなるんだね」
「それもいいんですよ」
 また話す月美だった。
「生クリームも」
「そっちにすればよかったかな」
 陽太郎は話
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