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おぢばにおかえり
第四十四話 二人でお外に出てその三十四

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「観ていてああはなるまいって思いますよね」
「そう思うのならなったら駄目でしょ」
「反面教師ですね」
「そう、おみちでは色々な人に出会えるけれど」 
 これは世の中全体で、だと思いますけれど。
「いい人ばかりとは限らないでしょ」
「どうしてもそうですね」
「そうした人にはなるまいって思うことよ」
「そうした出会いもあるってことdすね」
「そうなの」
 こう阿波野君にお話しました。
「残念なことだけれど」
「残念といいますか」
 阿波野君はソフトを食べつつ私のお話に応えてくれました。
「世の中そんなものですね」
「そんなものなの」
「はい、悪人もいますからね」
「おみちの世界でもおぢばに返ってきていてもね」
 そして天理教の学校に通っていてもです。
「とんでもない人もいるから」
「はい、だからですね」
「このことは気を付けていてね、そして」
「出会った時は」
「ああはなるまいよ」
「反面教師もいるんですね」
 阿波野君は私の言葉を聞いて正面の少し上の方を見てそのうえで言いました。
「どうしても」
「そうよ、私もね」 
 そうした人を見てきましたし。
「そう思っててひょっとしたらね」
「ひょっとしたら?」
「自分もなっているかも知れないわね」
 気付かないうちにです。
「そうなっているかも知れないから」
「先輩も反面教師に」
「そう、なっているかも知れないから」
 そうした反面教師になっている可能性があります、本当に自分が気付いていないそのうちにです。
「それが怖いわ」
「先輩は大丈夫だと思いますけれど」
「いえ、こうしたことはね」
 自分の悪いところはです、どうしても気付かないもので。
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