第六十八話
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浮かんでいた。
「ちょ、不知火!?なんでそんなもの持ってるのよ!?」
五十鈴は不知火が手に持っているものを見て、愕然としていた。
俺は少し離れたところにいたのだが、気になったので後ろから不知火の手に持ってるものを見た。
「…………お前、正気か!?」
不知火の手には、五、六匹のGの死骸があった。
「不知火に何か落ち度でも?」
真顔で首を傾げる不知火。ちょっとかわいいと思ってしまった。
「落ち度しかねぇよ。なんで明らかにGが苦手な榛名さんにそんなもん見せてんだよ。と言うか、よくそんなもん触れるな。」
俺は半分呆れて、半分感心したように呟いた。
「どうせ死んでますし、動いたとしても握りつぶしますよ。それに、手袋してますし。」
価値観が違った。俺は勿論の事、悠人や拓海ですら触ろうとはしない。
俺は榛名さんに、大丈夫ですか?と声をかけた。
「は、はい…………軽く腰が抜けかけましたけど。不知火ちゃんっ、何てことしてくれるんですかっ!」
大丈夫じゃなかった。榛名さんはだいぶご立腹といった感じだ。
「いや…………昨日から楽しそうだったので、私も楽しませて貰おうかと。」
不知火は表情を殆ど崩さないまま、そんなことを言った。
「……確かに、昨日は美味しいものを食べましたし、男の人から殴られませんでしたし、可愛い女の子が二人も増えましたし。」
榛名さんはうんうんと頷いていた。
「…………言っとくが、もしアイツが手を出してきたら言えよ?三倍くらいで返すから。」
まさか、あのた……提督に限ってそんなことは無いだろうけど、と付け足した。
「…………提督を、殴る気?」
「事と場合によっては。」
「「駄目ですよそんなこと!!」」
榛名さんと不知火さんは揃って叫んだ。その迫力に、思わず仰け反りそうになってしまった。
「提督を殴るなんて…………なにされるか分かったもんじゃないですよ!?」
「仮にも上司、殴ってどうなるんですか。」
「私たちは良いわよ、スッキリするから。でも、せっかくの仲間がそんな形で居なくなるのは嫌よ。」
榛名さんは感情的に、不知火は冷静に、五十鈴は呆れながら俺を説得しようとしていた。
…………あれだな、コイツらは男が嫌いなんじゃなくて、『提督』と言うものが大嫌いなんだな。少なくとも、俺はそれなりには信じられてるようだ。
なら、多少なりとも拓海の株は上げておくのが良いだろう。
「…………理由も分からず酷い扱いされる方がよっぽど嫌だね。それに、俺はアイツとは十年来の付き合いだからな。もし殴られたとしたら、暫く殴りあって反省会ってところだ
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