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ドリトル先生と和歌山の海と山
第十二幕その十一

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「本当に」
「そうなんだね」
「お箸の使い方も上手ですし」
 見ればちゃんとした持ち方で器用に使っています。
「食べる姿勢も」
「それもなんだね」
「もう完全にです」
「日本人のものになっているんだね」
「それも礼儀正しい」
 ただ日本人みたいでなくというのです。
「そうしたです」
「それは何よりだね」
「ではですね」
「うん、今もね」
「納豆も梅干しも卵焼きもですね」
「海苔もね」
 こちらもというのです。
「食べてね」
「学校に行かれますね」
「そして皆にお土産を届けるよ」
「日笠さんにもですね」
「そうするよ」
 こう言った瞬間にでした、先生の携帯から着信の音楽が鳴りました。日本の曲であるさくらさくらです。
 それを見るとです、日笠さんからのメールでして。
「高野山はどうでしたかとね」
「日笠さんからですか」
「メールがあったよ」
「じゃあすぐにですね」
「うん、楽しかったってね」
 携帯の文字を打ちはじめつつ言う先生でした。
「連絡をするよ」
「それは何よりよ」
 ここでサラがお部屋に入ってきて先生に言ってきました、見ればいつものサラの服装です。昔ながらのイギリスのレディーの服です。
「今着たけれどね」
「ああ、サラおはよう」
「おはよう、それでね」 
 さらに言うサラでした。
「その日笠さんって人にもはね」
「サラはまだ会ってないよね、日笠さんとは」
「確かね、けれどね」
 サラは先生にすぐに答えました。
「お話は聞いてるから」
「そうだったね」
「ええ、だからね」
 お部屋に入ってから言うサラでした。
「いいわね、日笠さんにはね」
「お土産をだね」
「真っ先に贈るのよ、それも他の人よりずっといいものを」
「お土産はもう買ってるよ」
 先生は席に座ったサラにのどかに答えました。
「高野山でもね」
「他の人よりもずっといいものよね」
「皆に言われてね」 
 そしてと言う先生でした。
「そうしたよ」
「皆はわかってるわね」
 ここで先生は、と言わないのがサラの優しさでしょうか。
「ちゃんと、じゃあいいわね」
「日笠さんにだね」
「そう、今から学校に行くのよね」
「そうだよ」
「研究室に入る前にね」
 もうそれよりも早くというのです。
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