第十二幕その九
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「只の数字のことではないね」
「これ言うと阪神ファンの人はすぐに言い返すんです」
「阪神ファンにとってはいい思い出じゃないんだ」
「そうなんです」
「詳しいことは聞かないけれど」
「阪神タイガースと千葉ロッテマリーンズは因縁があるんです
「その因縁がオズの国にも影響しているんだね」
モジャボロは応援だけでなく試合も観つつ言いました。
「それでお互いに応援合戦もしてるんだね」
「そうだと思います」
「成程ね」
「何か熱気が凄くてね」
キャンディマンが笑って言ってきました。
「油断しているとね」
「溶けますか?」
「いやいや、粉砂糖をかけるのを忘れてしまいそうだよ」
こうカルロスに答えました。
「オズの国だから溶けることはないよ」
「キャンディでもですね」
「けれどそれでもね」
「あまりにも熱気が凄くてね」
「その熱気に飲まれて」
「応援に夢中になってね」
そうしてというのです。
「粉砂糖をかけるのを忘れてしまいそうだよ」
「そこまで凄いっていうんですね」
「あの村山ってピッチャーも凄いしね」
「もう全部のピッチングに必死だね」
チックも見てびっくりしています。
「命を込めているみたいだよ」
「うん、それだけ野球に必死ということだね」
ドウ一世がチックに応えて言いました。
「君が遊びに必死なのと同じだけに」
「そうなるね」
「うん、そしてね」
「そして?」
「この試合を最後まで見終わったら」
その時のこともお話するドウ一世でした。
「私とブルーイン、メリーランドの女王は食べないけれどね」
「それでもだね」
「皆は食べる時間だね」
「夜だね」
「そう、その時間になるね」
こう言うのでした。
「その時に」
「僕も食べないよ」
「あたしもよ」
「僕もね」
ジャックとつぎはぎ娘、木挽きの馬もでした。
「食べることはしないよ」
「皆が食べる笑顔を見るわね」
「そうさせてもらうよ」
「私もーーです」
チクタクもいます。
「食べないーーです」
「そして私もだね」
「僕もね」
かかしと樵もでした。
「食べないね」
「笑顔を見て楽しむね」
「こうしてみますと」
カルロスは皆のお話を聞いて言うのでした、その言うことはといいますと。
「オズの国は食べる必要がない人も多いですね」
「僕には想像も出来ないことだよ」
食いしん坊の腹ペコタイガーの言葉です。
「今から大阪の名物を食べたくて仕方がないのにね」
「そうだよね、君は特にね」
「食べることがないなんてね」
それこそというのです。
「どうして生きたらいいか」
「わからないね」
「本当にね」
それこそというのです。
「楽しみのどれだけがなくなるか」
「そして今か
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