ペルソナ3
2080話
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ところ、仮にも俺はシャドウミラーの……軍事国家のトップという地位にいる。
そうである以上、俺がどうしてもやると決めれば、余程の事がない限りは通るのだ。
問題なのは、今のこの状況がその余程だという事か。
「……どうしても、行くのね?」
そんな俺の考えを悟ったのか、レモンは真剣な表情で聞いてくる。
それに、頷きを返す。
「そう。アクセルが本気でその気になったら、私には……私達には止められないもの。これ以上の問答は意味がないわね」
「だが、レモン!」
美鶴がレモンの名前を呼ぶ。
……だが、そのような態度を取っているのは美鶴だけで、他の者達はそれ以上何も言わない。
俺の恋人となって、そしてホワイトスターに来るようになってから、美鶴はまだ殆ど経っていない。
それだけに、レモンの言葉を受け入れがたかったのだろう。
シャドウミラーは、俺が代表という立場にいるのは間違いない。
だが、その俺は他に類を見ないだけの生存能力とでも呼ぶべき能力があるだけに、シャドウミラーの国是である、未知の技術の収集や異世界間貿易で利益を上げるために他の世界を発見するという役割をこなすことになる。
冗談でも何でもなく、俺が一番その手の仕事に向いているのは間違いないんだよな。
そんな訳で、俺がいない事の多いシャドウミラーを実質的に纏め上げている……副代表、もしくは副大統領? とでも呼ぶべき存在がレモンなのだ。
だからこそ俺とレモンの意見が揃えば、大体の意見は決まる。
「大丈夫よ。美鶴も知ってるでしょう? アクセルがどれだけの強さなのかを。それこそペルソナ世界での話を聞けば、生身の戦いでも機動兵器を使った戦いでも、アクセルの能力は突出していた筈よ。そしてアクセルがそう決めた以上、私達が出来るのは……アクセルを信じて、送り出す事だけ」
そんなレモンの言葉に、美鶴はやがて無言で小さく頷く。
自分の言葉では事態を変えられないと、理解したのだろう。
良かった……そう思っている俺だったが、美鶴が黙ったのを見たレモンが再びこちらに視線を向けてきたのを見て、それ以上は何も言わずにレモンの言葉を待つ。
「いい? アクセルの事だから生きて戻ってくるというのは確信しているわ。けど、アクセルの相棒のニーズヘッグはまだ改修途中よ。だから、さっきもアクセルが言ってたように、ミロンガ改だけしか持って行かせる事は出来ないわ。一応ファブニールがあれば、問題はないと思うけど……くれぐれも、気をつけて」
そう言い、レモンはそっと俺に近づいてくると目を閉じる。
俺はそんなレモンの身体を抱きしめ、唇を重ねる。
そうして、他の恋人達とも唇を重ねていき……
「アクセル」
「悪いな、美鶴をこっちに連れて来たばかりだってのに
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