第62話 やぶ蛇
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すか?」
「そうなるが、コーネフ大将は作戦案をホーランド大佐に一任で変えると思えん」
「所で何処からこの作戦案を?」
「レベロが知らせてくれた。レベロとホアンは反対するが、他は賛成するかも知れないらしい」
「困りましたね」
「困ったな」
3人が困っている中、リーファは考えた。余りにも手際が良すぎると。
憂国騎士団が世論を操作しイゼルローン要塞への攻撃を主張させる、此は完全に帝国領侵攻作戦時に起こった事と一緒じゃないか。そうなると裏で糸を引いているのはトリューニヒトか、確か第六次イゼルローン攻略戦の失敗でサンフォード内閣が出来て、トリューニヒトが国防委員長になったはずだ。
そうなると、コーネフ大将とホーランドとサンフォード、アップルトン、アル・サレムは道化だ、間違えなく原作のように第六次イゼルローン攻略戦は失敗する可能性が高い、そうして得をするのは、トリューニヒトだ。此処で国防委員長を失脚させれば、自分が繰り上がりで国防委員長と言う訳か、そうはいかさない、売国奴の思惑通りには行かせない。
アンダーソン最高評議会議長とカスター国防委員長をレベロ、ホアン両氏に説得して貰い最低4人が残るようにしよう、他の委員の後任人事はレベロ、ホアン派で固めさせればいい、そうすればトリューニヒト派の増長を押さえられる。
「おい、アッテンボローどうした?」
黙って考えていたリーファにワイドボーンが話を振ってくる。
「はい。今回の裏側を考えていました」
「「「裏側」」」
シトレ達がハモる。
「まず、時期的要因です。情報部から、帝国では宇宙艦隊司令長官後任人事が揉めまくり、派閥同士の争いになりそうな雰囲気です。それに軍の再編編成もままならない状態です。本来であればヴァンフリートで失った6個正規艦隊以外に12個正規艦隊が存在するはずなのにもかかわらず、未だ再編成が済んだ正規艦隊は6個しか有りません。残りの正規艦隊は上級士官の不足により艦隊としての形をなし得ていません。それに貴族の蠢動もありますからね」
「それなら一般的に考えれば尚更今攻めた方が良いという訳になるぞ?」
「其処なんですよ。このまま行けば態々攻めなくても、何れ帝国は内乱が発生するでしょう。その時に攻めれば、楽に帝国を倒せるんですよ」
「それが、フリードリヒ四世の死だという訳か」
「しかし、何時死ぬか判らない皇帝の死を待つ事が連中には出来ない訳か」
「支持率が大切な方々と、出世が大切な方々の思惑が悪い形で合わさった訳か」
シトレは顎を触りながら、ワイドボーンは考えながら、ヤンが頭を掻きながら呟いた。
「更に、今攻めれば、完全にやぶ蛇に成るんです。敵は帝国の危機だと団結する可能性が大きいですね。派閥抗争を棚上げして宇宙艦隊司令長官人事を決めるで
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