暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
2079話
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はまだ色々とあると思うけど」

 そう告げる千鶴は、いつものように慈母の如き笑みを浮かべていた。
 ……もっとも千鶴の場合、何かあればその慈母の如き笑みを浮かべたまま長ネギを手に迫ってくるので、油断出来ないのだが。
 そんな事を考えていると、千鶴の視線が間違いなく俺の方に向けられる。
 オホホホホという笑い声がどこからか聞こえてきたような気がしたので、取りあえずそれ以上はスルーしてサンドイッチに手を伸ばす。
 先程千鶴が言った通り、パンには汁を染みこませないようにしっかりとバターを塗っており、卵とじにされた牛丼の具が挟まっている。
 まぁ、牛丼に生卵を掛けて食べるってのは、そう珍しい事ではなく……寧ろポピュラーな食べ方なので、卵とじでもそこまでおかしくはないのか?

「うん、美味い」

 ともあれ、そのサンドイッチが美味いか不味いかで言えば、美味いのは間違いない。
 牛肉とタマネギはさっと出し汁で煮ただけなので、まだしっかりとした噛み応えがあり、食べているという実感がある。
 そんなサンドイッチを食べながらラピスの方に目をやると、そこではラピスが無表情で……それでいながら、一生懸命に牛丼サンドを食べていた。
 当然そうして急いで食べていれば口の周りとか頬とかに食べかすがついたりするのだが、そこは姉のルリがしっかりと拭いてやっている。
 そうしてラピスの世話をしながらも、ルリは自分の分のサンドイッチを食べている。
 この辺り、しっかり姉妹をしているなとしみじみと感じられるところだ。

「……何でしょう?」

 そんな俺の視線に気が付いたのか、ルリが尋ねてくる。

「いや、何でもない。しっかりと姉妹としてやっていけていると思ってな」
「当然です」

 こちらもまた、ラピス程ではないが表情を変えず……それでいて、自慢げに呟く。
 この辺り、似たもの姉妹といったところか。
 そんな風に思いつつ……俺は、パーティを楽しむのだった。





「ん……あああああああああっ!」

 艶っぽい声を上げ、限界を迎えた美鶴が激しい息づかいのままベッドに倒れ込む。
 白く、柔らかく、女らしさを現している美鶴の身体が、ベッドの上で荒い息によって激しく上下している様子は酷く艶っぽい。
 そんな美鶴は、少し息を整えつつ……やがて体力の限界に達したのか、そのまま眠りにつく。
 美鶴の赤い髪を撫でながら、ベッドの上を見回す。
 そこにいるのは、10人を超える俺の恋人達全員の一糸纏わぬ姿。
 その全員が、現在は体力の限界に達して深い眠りに落ちている。
 ……正直なところ、まだ余裕があるのだが……無理をする必要はないか。
 全員が限界まで体力と精神力を使ったのだから、今はゆっくりと眠らせておいた方がいいだろう。
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