ペルソナ3
2079話
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話を聞いていた。
「簡単に言えば、汁を少なめにして卵とじにしてパンに挟むのよ。もっとも、パンに汁が染みないように、しっかりと厚めにバターを塗る必要があるけど」
「……なるほど。ちょっと興味深いわね。けど、やっぱり牛丼は普通に牛丼として食べた方がいいと思うんだけどな」
円の言葉に、皆が頷く。
ネタ的な意味で一度食べてみるのはいいかもしれないが、頻繁に食べるなら、やはりサンドイッチよりも普通に牛丼として食べる方が美味そうなのは間違いないだろう。
と、不意に俺の服が引っ張られる。
何だ? と思って視線を向けてみると、そこではラピスが俺の服を掴んで引っ張っていた。
「どうした?」
「食べてみたい」
短い一言だったが、それでもラピスが何を食べたいと言っているのかは、今の状況であればすぐに分かった。
つまり……
「牛丼のサンドイッチを食べたいのか?」
そう尋ねると、予想通りと言うべきか……ラピスは小さく頷く。
さて、一体どうしたものか。
視線を千鶴に向けると、俺とラピスのやり取りを見ていたのか、笑みを浮かべて頷いてくる。
「分かったわ。じゃあ、ちょっと待っててね。すぐに作るから。他に牛丼サンドを食べたい人は?」
そう尋ねる千鶴の言葉に、何人かが手を挙げて食べたいと告げる。
こういう時、ホームパーティって便利だよな。
もしこれがどこかの店なりパーティ会場を借りてのパーティとなれば、そんな真似は出来ないし。
いや、自由度の高い店でのパーティとかなら、意外と対応して貰えるか?
貰えるかもしれないが……牛丼サンドとかいうのを作ってくれるかと言えば、微妙なところだろう。
ともあれ、食べたいという人数を確認すると、すぐに千鶴は台所に向かって料理を始める。
「うーん、さっと煮込んだだけの牛丼は肉とかタマネギの食感を楽しむのに向いてるんだけど、長時間煮込んでしっかりと味を染みこませた牛丼も美味しいのよね。サンドイッチに向いてるのは、どっちかしら」
そんな千鶴の様子を見て、円が呟く。
牛丼好きなだけあって、色々と拘りがあるのだろう。
その割に自分で牛丼を作ろうとしないのは、以前自分で作った時に出来たのがあまり美味くなかったかららしい。
もっとも、料理というのは練習すれば大抵がその分だけ技量が上がって、美味い料理を作れるようになる。
その理屈で考えれば、円も料理を続ければ十分美味い料理を作れると思うんだけど。
ともあれ、さすが毎日この人数の料理を作っているだけあって、千鶴の手際はいい。
10分かそこらで、大量のサンドイッチを盛りつけた皿を手に、戻ってくる。
「はい、出来たわよ。もっとも、このサンドイッチは取りあえず作ってみただけで、改良する場所
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