ペルソナ3
2079話
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家族のような存在だと、そう理解しているからこそ、ゆかりも素直なのだろう。
言わば、甘えているのだ。
「だってさ、アクセル。今日はこの2人を優先的に可愛がってあげたら? ああ、勿論私達もきちんと愛してね?」
「なっ!?」
シェリルの口から出た言葉に、ゆかりは顔を赤くして何かを言おうとする。
まぁ……そういう行為に慣れていても、こうして大勢の前で言われるというのは恥ずかしいのだろう。
ちなみにシェリルの言葉はルリやラピスにも聞こえるくらいの声の大きさだったが、ラピスの耳をルリが塞いでいたので、ラピスはいつも通り無表情な様子で小首を傾げているだけだ。
……もっとも、ラピスの耳を塞いだ影響により、ルリはシェリルの言葉をそのまま聞く事になってしまったが。
その結果として、ルリの顔は赤く染まる。
元々肌が白いルリだ。見るからに真っ赤になってるその様子は、いっそ見事ですらある。
「あら、この程度で照れている程度じゃ、アクセルとはやっていけないわよ? それとも……帰る?」
半ば……いや、完全に挑発以外の何物でもないレモンの言葉に、ゆかりは数秒前の戸惑いを消して、躊躇いなく返答をする。
「泊まっていくに決まってるでしょ!」
「……哀れな」
「うむ」
コーネリアとスレイがそれぞれ短く呟く声が聞こえてきた。
「でも、私達にとってはアクセルに対する戦力が増えるんだから、いいんじゃない?」
「それは分かっている。分かっているのだが……シェリル、こういうのはスケープゴートと言うんじゃないか?」
「まぁ、アクセルの一番元気な時に捧げられる羊と考えれば、間違ってないかもしれないわね」
コーネリアとスレイの会話にシェリルが混ざっていたが、俺はそれを聞き流しながら、ハムカツのサンドイッチを食べる。
トンカツ、ビーフカツ、チキンカツのサンドイッチってのはよく食べるけど、ハムカツのサンドイッチってのは珍しいな。
「あ、アクセル君。その、それ……私が作ったんだけど、どうかな?」
「円の手料理か。うん、美味いぞ」
それはお世辞でも何でもなく、このサンドイッチは普通に美味い。
「てっきり円の事だから、牛丼サンドとか作ると思ってたんだけどね」
「ちょっ、美砂! それは私が牛丼を好きなのは否定しないけど……だからって、牛丼をサンドイッチにしたりはしないわよ!」
「あら? やろうと思えば出来るわよ?」
「……本当?」
やらないと言った円だったが、それを聞いた千鶴の言葉に疑わしげな視線を向ける。
だが、そんな円の疑問は俺も同様だ。
どうやれば牛丼をサンドイッチに出来るんだ?
周囲で話を聞いていた他の面々……特にこの家で千鶴と並んで料理が得意なマリューは、興味深そうに千鶴の
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