第一章 護れなかった少年
第三十二話 鬼ごっこ
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ッ」
そんな声と共に遠目で 2, 3人の腕が落ちるのを確認する。あれだけでも戦意を削ることは出来るだろう。
そう思いながら再度前を向いた瞬間。
「――え ?」
視界いっぱいに広がる一本のナイフはそのまま僕の左目に突き刺さった。
「ガァァァァァアアアアアッ !?」
ナイフを左手で掴み、引き抜きながらバックステップを踏む。抜き身のナイフを握ったため HPが削れるがそんな事は今気にしていられない。
問題なのは ......左側が全く見えないこと。要は死角が何倍にも増えてしまっているのだ。トドメとばかりに距離感もうまく取れない。
「ヒャッハァッ !!」
そんな声と共に襲い掛かってきた男の一撃をバックステップで躱し、居合いスキル『閃』を放つが ――
「ックソッ!!」
「おいおい何処狙ってんだぁ ?」
掠りもしない。 舌打ちをしながら距離を詰め、上段から刀を振り下ろして相手の腕を肩から切り落とすが ――
「チッ」
囲まれた。どうやら逃がしてはくれないようだ。依然として数は減っておらず50人近くの集団。
......これは少々キツいかも。
なんて言ってられない!! 速くアイツ等を助けなきゃイケないんだ!!
「もう一度言う。 そこを、退けッ!!」
そう叫び、僕は一点突破を目指し、人の群れに我武者羅に突っ込んだ。
―☆―☆―☆―
「よし......ここならいいだろ......」
迷宮内は常に薄暗い。そのため、物陰などの死角はどこにでもある。その中でもいつでも逃げられるよう、細い通路、その中にある、蜘蛛の巣状に広がっているさらに細い路地に隠れる。幸い、俺とアンスは軽業スキルを取っていて、ウォールランが使える。メイは使えないが、俺の筋力値ならメイぐらいは余裕で担げる。
あれから大体5分ぐらい経ったろうか。既にPoh達は探し始めて二分経つ。
イケる。この調子で息を潜め続ければ――
「見〜つっけた♪」
後ろの通路を振り返るとそこには頭陀袋のような物をかぶった人物......ジョニーブラック。
ついに見つかっちまったか......。だがこれぐらいは予想済み!!
「行くぞアンス、メイ!!」
「ああ!!」
「了解!!」
ジョニーブラックの現れた方とは真逆の方向に走り、通路を抜けようとする。が――
「逃が、さない」
目の前にザザが現れる。が、これも予想している!!
そのままメイを担ぎウォールランを発動。ザザより数メートル上の壁を走り、そのまま上を飛び越え、走り去る。後ろを向くとしっかりアンスも着いてきていて、ザザ達は追いかけてきていない。よし撒いたッ!!
「このまま次の
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