166部分:第十二話 夏に入りその十七
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
名である。その口調は変わらない。
「けれど行けばわかる」
「今ここで言わないのかよ」
「内緒」
電話の向こうで表情を消しているのがわかる。そんな言葉だった。
「気にしない気にしない」
「また企んでるんだな」
「そう思ってくれるなら思ってくれたらいい」
「そうした言葉好きだな」
「うふふふふ」
感情をわざと込めていない笑いだった。そんな笑いであった。
「楽しみにしておくこと」
「すげえ気になるな。御前そんな表現ばかりするな」
「じゃあまた」
話をすぐに切ってきた。ここでだ。
「何かあったら電話して」
「っておい、まだ話したいんだけれどな」
「これからすることあるから」
「何だよ、それ」
「お風呂」
それだというのだ。
「今からだから」
「ああ、それか」
「それじゃあね」
「またな」
「お休み」
別れの挨拶をしてから電話を切りだった。そのうえで話を終えたのだった。そうしてである。陽太郎は次のことを考えながら今は休みに入るのだった。
第十二話 完
2010・6・2
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ