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空に星が輝く様に
164部分:第十二話 夏に入りその十五

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第十二話 夏に入りその十五

「ちゃんと」
「いや、だからさ。異性を呼ぶなんてことは」
「お友達。それも大切なお友達なら」
「呼ぶんだ」
「お母さんにはそう言われてますし。ですから」
「俺って大切だったんだ」
「はい、そうですけれど」
 とにかく今は天然どころでは済まない月美だった。しかし本人は気付いていない。
「違いますか?斉宮君は私の大切な」
「友達なんだ」
「彼氏ですよね」
 これは陽太郎の予想外のことだった。まさにだ」
「それでいいですか?」
「えっ、彼氏!?」
「彼氏で。いいですよね」
 陽太郎は彼氏と言われて思わず声をあげてしまった。そして月美はというとだ。相変わらずピントがずれている感じであり続けていた。
「それで」
「あの、だから俺は」
「この前愛ちゃんに言われたんです」
「椎名にか」
「はい、斉宮君は私の彼氏で」
 そしてだった。さらに言うことはだ。
「私は斉宮君の彼女だって」
「あいつが言ったんだ」
「それで駄目ですか?」
 こう話すのだった。
「それでは」
「いや、駄目とかそうじゃなくてさ」
「はい?」
「それでいいんだ」
 陽太郎は思わず腕を組んでしまっていた。そのうえで考える顔になっていた。
「俺が彼氏で」
「御願いします」
 月美からも言った言葉だった。
「それで」
「わかったよ。それじゃあさ」
「はい、それじゃあ」
「俺でよかったら」
 こう月美に話した。
「御願いするよ」
「はい、それじゃあ私も」
「今度の日曜ね」
「はい、日曜に」
 こんな話をしてだ。陽太郎は月美の家に招かれることになった。そしてその話が終わってからだ。陽太郎は家に帰るとだ。すぐに椎名に電話をかけた。
 電話をかけるとだ。すぐに出て来た。
「何?」
「何?じゃないよ」
 まずはこう言う彼だった。
「御前さ、西堀に吹き込んだろ」
「ああ、あのことね」
「自覚あるんだな」
「彼氏と彼女のことね」
「そうだよ、何であんなこと言ったんだよ」
「けれどその通りだから」
 ぼそりと話す椎名だった。それはここでも変わらない。
「だから言っただけ」
「今日いきなり言われてびっくりしたぞ」
「サプライズ」
 今度の言葉はこれだった。
「驚かすのが趣味」
「悪趣味だな、おい」
「それはそうと」
 椎名は強引に話を変えてきた。
「いい?」
「今度は何だよ」
「つきぴーのことだけれど」
「ああ。西堀がどうしたんだ?」
「楽しんでだ?」
 このことを尋ねるのである。

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