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サトシ:「怒った顔や泣いた顔、
色んな表情のヒカリを見てきたけど、
最後には必ず笑っていた。
”大丈夫”って一言をいつも口癖にして、、。
お前はそんな奴だった」
ヒカリ:「ご主人様、、」
サトシ:「明後日俺は、失ったものを
全て取り戻しに行く。ポケモンも、日常も、
そしてヒカリの記憶も、、。
昔見た世界だって、必ず取り戻してみせる。
だからヒカリ、、」
ヒカリ:「、、はい」
サトシ:「俺にもう一度、大丈夫って言ってくれ」
ヒカリ:「!!」
”大丈夫”
その一言がまるで一本の糸のように
ヒカリの心に結びつく。
真っ直ぐ見つめるサトシの瞳を見て、
ヒカリは確信した。
彼とは支え合い困難を乗り越えてきた事。
自分の隣にはいつも彼がいてくれた事。
記憶になくともサトシの瞳が
そう物語っていた。
サトシにその言葉をかけなければならない。
その言葉が必ずサトシの力になる。
ヒカリは一瞬俯くと、肩を震わせながら
口を開いた。
ヒカリ:「、、ご主人は、
いつも私の隣に居てくれたのですね、、、」
思い出したくても思い出せない
自身の記憶。それでも感じる、
身に沁みた懐かしい感覚。
ヒカリ:「私の知らない私は、
いつもご主人様の側にいて、一緒に
笑っていたのですね、、、」
サトシ:「あぁ。お前はいつも笑っていた。
俺はそんなヒカリを良く知ってる」
ヒカリ:「、、なら、掛ける言葉は
一つですね、、、。私は今まで通り、
同じ表情で同じ言葉を言います。
それが、ご主人様の力になるのなら、、」
サトシ:「ヒカリ、、、」
ヒカリ:「、、、大丈夫!!
ご主人なら、きっと守ってくれます!
世界の事も、私の事も!」
サトシ:「ヒカリ、、」
顔を上げ、精一杯の笑顔で応えるヒカリ。
記憶が欠けているとしても、
そこには以前と同じ顔で同じ言葉を
口にするヒカリがいた。
ヒカリ:「私の記憶が戻ったのなら、
その時はまた一緒に夢を語り合いましょう!
ご主人様と一緒なら、私は笑っています!」
サトシ:「ヒカリ、、あぁ!約束しよう!
全部終わったら、幾らでもな!
だから後は任せとけ!必ず俺が守ってやる!」
シルフによって姿を変えつつある世界。
しかし、ある場所には不安や恐怖を
寄せ付けず、穏やかで希望に満ちた
2人だけの世界があった。
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