七匹め
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ですが…」
「国王アルフレッドが命ずる。行け」
「はっ!」
衛兵がダマオ達を抱えて地下牢へ向かった。
シェルムに与えられている部屋には、アルフレッド、タマモ、シェルム、ルル、そしてソファーで寝ているシラヌイがいた。
ルルは三人に、この部屋の掃除から全てを話した。
「そうですか…ルルさん。災難でしたね…」
「いえ!シラヌイ様に守っていただけなければ私は…」
「言わなくてもいいですよ」
シェルムが優しくルルを止めた。
「アルフレッド」
「ああ、そうだな…。ダマオはこれで王位継承権剥奪だな」
「継承権をどう迂回させるか揉めておったからの…ま、丁度よいわい」
「タマモ。それより孫は大丈夫なのか?」
「ただの魔力切れじゃ。寝れば治る」
「魔力切れ…ですか…」
シェルムがぽつんと呟いた。
「流石はお主とブライの息子じゃのぅ。
あれだけの魔法を乱発して魔力切れで済むとは」
「ええ…そうですね…。ルルさん」
シェルムがルルに呼び掛けた。
「は、はい!」
「見た目だけでいいのでシラヌイが使った魔法を教えてください」
ルルが魔法の見た目を説明した。
「それと…その…」
「どうしたルルよ?まだ何かあるのか?」
「ダマオ様と戦う前に、シラヌイ様はこれをお造りになりました」
ルルが真球水晶を取り出した。
「なんじゃそれは。ガラス玉か?」
「私もはじめはそう思ったのですが、シラヌイ様は『砂利から造った水晶』と仰りました」
「なんと!錬金術までつかうとは!」
ルルがタマモに水晶を手渡した。
「ほー…よく出来ておるわ…」
シェルム、アルフレッドも水晶を見た後、タマモはルルに水晶を返した。
「それはシラヌイがお主に渡した物。
大事にとっておれ」
「はい!」
「もう行ってよいぞ」
「失礼しました」
ルルが退室し、部屋にはタマモ、アルフレッド、シェルムだけとなった。
「ふぅ…すごいのぅ…シラヌイは…」
「お母様」
「なんじゃシェルム」
「お母様は何か知っているのですか?」
シェルムの目は真剣だった。
「くく…シラヌイめ…自分からバラすような真似しおってからに…」
「お母様。話していただけますね?」
「おお、わかっておるわかっておる」
タマモはシラヌイが転生した者だと、シェルムに告げた。
「シェルム。確かにシラヌイには前世の記憶がある。しかしシラヌイは確かに昨日までのシラヌイでもあるのじゃ」
「ええ…例え前世の記憶があってもシラヌイは私とブライの息子ですから」
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