第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#54
FAREWELL CAUSATION]W〜Ragnar?k Bastard〜
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だが斃したと“思い込んでいた”緩みと気勢の虚から伸びて来た
まさかの拘束。
顕現並の巨大さを持つとはいえ
その心臓部や首筋に中枢となるフレイムヘイズがいるわけではないので、
おそらく真王の眷属ならば指一本になっても動く。
『人型』といえどその機能を共有しているわけではないスタンド能力とは
一線を画する超常。
真王の横やりに呼応したようにも見えるが
ファフニールにとっては遊興に過ぎないので
あくまで「偶然」だろう。
グジュゥッ!
感覚的には虫を握り潰した音に近いだろう、
だがその光景を目の当たりにした者には
文字通り血も凍るような陰惨な響きが脳幹を劈いた。
『ぐぶ――ッ!』
血の代わりに口から噴き出る明滅した大量の火花、
属性が変わっていなければ内腑が軒並み押し出されていただろう。
存在力の塊とはいえその痛ましさは鮮血となんら代わりない、
その証拠に握られた手の下からかほどもなく千切れた胴体の
脚がズルリと相対を無視して抜き出る。
「マ!」
「そん!」
絶叫がカタチになる前、歴戦の淑女ですら両手で顔を覆うという
無防備状態を曝け出す終焉の光景。
だが死の間際ですら仲間の事だけを想い至る
少年の精神と慧眼が、一抹の違和感を捉えた。
人型故に絶命寸前の魔狼が震えながらも差した指先、
「エメラルド・スプラッシュ!!」
ヴィルヘルミナですら憎しみと悲しみが生まれていない刹那、
才智なる若きスタンド使いは絶望に屈する事なく己が執るべき
選択を厳正に実行した。
無数に射出された翡翠光弾、だがその速度に相対差をつけ
前のほうが後ろより「遅い」
故に目標の着弾地点近くで後続は先端に追いつく、
代わり初弾の群れはその軌道を斜角に切り替え結果
後方衝突、『跳弾』と成って「目標」の最も脆い部分を正確に撃ち抜く。
ギャギィィィッッ!!
真王の放った黒刃の一つが再襲撃のパワーベクトルも相俟って
その強度を逆利用され大きく蛇行する。
地獄に垂れ下がった一本の蔓。
それを瀕死の魔狼が掴み死力を振り絞って齧り付く。
核の焦熱量、防御を無視してそのスピード、精密動作性、
何より破壊力に全フリしてあるため真王のKハ
すらも突き破る。
ジュグュッ! ジュグン! 生々しく啜り上げる音、
美女の細い喉が何度か動く。
瞬間、華奢なその躰を握り潰していた手が内側から爆散した。
それだけに留まらず本来燃えない筈の土が灰燼に帰し
その「熱源」から腕から全身へと類焼し同様の現象を引き起こす。
文字通りの焦土、土から生まれた巨人はその内部に組み込まれた
魔力諸共焼き尽くされ大地に還った。
核エネルギーと真王の血、相乗効果、破滅
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