ペルソナ3
2078話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
してもコロマルの様子に視線を集中せざるをえない。
「わおおおおおおおおおおおんっ!」
そんな雄叫びと共にコロマルのペルソナ、ケルベロスが姿を現す。
そしてコロマルがペルソナを召喚したのを見た他の面々は、全員が驚きの表情を浮かべていた。
「これは……アクセルから聞いてたけど、本当に犬がペルソナを召喚出来るなんて。そうなると、ペルソナ世界以外の人間がペルソナを召喚出来るという可能性は……」
「いや、でもコロマルもペルソナ世界の住人……いえ、人じゃないけど、生き物でしょう? だとすれば、そちらはまだ難しいんじゃない?」
レモンとマリューがそれぞれ話し合い……
「ペルソナについての研究をするというのに、私をのけ者にするというのは、どういう事ですか!」
そう叫びながら部屋の中に突撃してきたのは、ロイド……ではなく、葉加瀬だった。
「あのね、一応私は呼びましたよね?」
セシルがそう葉加瀬に返事をするが、葉加瀬の方はそんなセシルに不満そうにぶーぶー言っている。
俺が聞いた話だと、現在葉加瀬はET-LINKシステムとは似て非なる操縦システムの開発をしているらしい。
何でも、魔力を使った操縦システムで、理論上ではET-LINKシステム以上、T-LINKシステム以下といった具合になる……という事らしいんだが。
ただ、魔力となると人によって持っている量が違う。
例えば俺や木乃香、ネギなんかは極大とも言えるだけの魔力を持っているが、ムウなんかは平均よりちょっと上程度でしかない。
こんな風に魔力は人によって大きく違うのを考えれば、例えば魔力が大きい方に合わせると魔力が小さいパイロットは操縦出来ないし、小さい方に合わせると、魔力が大きいパイロットの魔力ではシステムが耐えきれない。
葉加瀬は科学と魔法を取り入れた魔法科学とも呼ぶべき手段を使ってコックピットに増幅装置を入れて、魔力が足りなければ増幅装置を、素のままで問題ないなら普通に……と、そんな感じでやろうとしているらしいが、まだ完成には程遠いらしい。
ともあれ、そんな訳でセシルが呼びに行った時も自分の研究に熱中していたのだろう。
「私は聞いてないです!」
「あー、もう。そもそも、葉加瀬さんはちゃんと寝てるんですか? 最後にお風呂に入ったのはいつです? ちょっと臭いますよ?」
「それは……」
そんな葉加瀬とセシルのやり取りを眺めていると、コロマルがケルベロスと共にこっちに近づいてくる。
「わう」
「ああ、気にするな。あいつもお前のペルソナを見たかったんだけど、自分の興味のある事に集中していると、どうしても他の事を気にしなくなるんだよな」
「わふぅ」
俺の言葉にコロマルは短く鳴くと、不意にケルベロスを動かす。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ