第五十八話 神仏の存在その二
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「神仏がしているでござる」
「そうなるな」
「この世に神も仏もいないのか、それは」
「マルクスで言うとな」
「マルクスは既に否定されているでござる」
ソ連も崩壊してだ、今それにしがみついている者達は言うならば骸骨にしがみついているのであろう。
「完全に」
「神を否定していた思想もな」
「神を否定したでござるが」
「偶像崇拝は否定していなかった」
「個人崇拝を」
「そして指導者が神となった」
共産主義においてはというのだ。
「北朝鮮は特にそうだな」
「あの国は共産主義でも異形でござるが」
「共産主義ですらないな」
「はい、最早」
智も難しい顔で述べた。
「あれは何といいますと」
「古代封建国家だ」
「階級もあるでござる」
共産主義は階級制度を否定しているがだ、この辺り身分制度を否定している筈の儒学にそれを取り入れていた李氏朝鮮の科挙そして朱子学と同じだろうか。
「そう考えていくと」
「あの国はその共産主義でもな」
「異形でござる」
そうだというのだ。
「あの国は」
「そうだな、それで話を戻すが」
「神仏については」
「俺は信じる様になった」
「交通事故を避けられたことから」
「あの声がなければ」
突如として聞こえたそれがというのだ。
「果たして俺はどうなっていたか」
「わからないでござるか」
「そうだ、この世の中は人間が完全に動かしてはいない」
「神や仏がでござるな」
「見ているのだ」
人間をというのだ。
「そして時として導き助けもしている」
「そしてこの世界にも」
「俺達は来た、もっと言えば連れて来られた」
そうなったとだ、英雄は強い声で言った。
「その神か仏が何者かはわからないがな」
「それは今は特に問題ではないかと」
こう言ってきたのは謙二だった。
「拙僧達を導いている神仏は」
「それはだな」
「はい、どういった神仏か気になるのは事実でも」
「そうした存在が連れて来たことだけがわかればな」
「いいかと、そして」
「神は神でもな」
「魔神です」
この神こそが問題だというのだ。
「下の世界を海で覆っている」
「その神がな」
「一番問題です」
「岐阜でもわからなさそうだな、いや」
ここで英雄はふと思ってだ、仲間達に話した。
「山に登ってみるか」
「稲葉山に」
「あの山に」
「そしてそこにある寺にだ」
山に入りというのだ。
「行ってな」
「そこに魔神について書かれた書があるか」
「そのことをですね」
「そうだ、調べてみようか」
こう謙二と良太に話したのだった。
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