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とある3年4組の卑怯者
153 面会(かおあわせ)
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!!負けた・・・。でもいいんだ。僕には結果的に銀賞だ。世界大会には行けるんだから・・・)
 藤木は豆尾には負けたものの、己のノルマである世界大会出場を確定させる事ができたので満足していた。

 笹山は病院で怪我の検査を受診していた。深かった足の傷は治る傾向にはあったが、まだ歩行は杖がないと上手くできなかった。鋸で切られた傷はみるみる塞がれてはいった。足の傷はとりわけ酷かったため退院後も検査でしばらくは通院することになる見込みだった。自分がまた歩けるようになるのは時間がかかるのは気がかりだが、彼女にとっては藤木が世界大会に行けるかが気になっていた。診察が終わり、笹山は看護師に支えられながら病室に戻った。そして再びベッドで横になる。
(藤木君、頑張ってるかな・・・?あの夢、どうか夢のままでいて・・・)
 笹山は夜中に藤木が大会で失敗に終わり、謝りながら自分から離れて行ってしまう悪夢を見ており、藤木が余計に心配になっていた。その時、ドアがノックされた。
「どうぞ」
 入ってきたのは、笹山が以前藤木を不幸の手紙で嫌っていた時、彼と仲良くしていたあの美少女だった。
「あ、貴方は・・・」
「あの、笹山さん、久しぶりね。堀こずえよ。そしてこの人は私の学校の友達・吉川みどりさんよ」
「初めまして。吉川みどりと申します。 まる子さんや藤木さんのお友達です」
 みどりは笹山の姿を見て美人だと思った。
(この人が藤木さんのお友達・・・。もしかして、藤木さんはこの方と・・・)
 みどりはまさかと考えた。
「さくらさんとも知り合いなの?」
「はい、私のおじいさんがまる子さんのお爺様とお知り合いですから・・・」
「そうなの。私は笹山かず子。宜しくね。ところで二人はどうしたの?」
「藤木君から貴方の学校でテロがあって大怪我をしたっていうから心配になったのよ」
「はい、藤木さんのお友達ならお見舞いにいかなければならないと思ったんです!」
 みどりは張り切って言った。
「ありがとう・・・」
 笹山は礼を言った。
「そうだ、笹山さんの為にケーキ買って来たの」
「ありがとう、堀さん。そうだ、あの時は藤木君にも貴方にも怒ってごめんね・・・」
「ううん、もういいのよ。藤木君と仲直りしてくれたなら私も安心だわ。藤木君のスケート、応援してる?」
「ええ、今盛岡で頑張ってるんじゃないかしら」
「私もよ。藤木君がスケート頑張ってくれてたら私も嬉しくなるわ・・・」
「え?」
「実はその・・・」
 その時、みどりが話に入った。
「辛いお気持ちのなったのは藤木さんや笹山さんだけではありません!堀さんは学校でいじめを受けていたんです!」
「ええ、そうなの!?」
「はい、私だって堀さんと会う前は学校ではずっと友達がいなくて辛かったんです。ですから時々まる
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