02.生前手記
生前手記‐水城涙‐
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依頼した。
彼奴曰く、「涙が居るなら大丈夫でしょ!」
少しだけ嬉しかったのは事実。
任務を任せてくれるという嬉しさと、
信頼されているという嬉しさ、
そして、貴女と一緒に任務が出来る嬉しさ。
彼奴は、その任務までの俺と貴女の仕事を全て無くすと言った。
だから、俺と貴女は作戦の計画立てに専念した。
御陰で頑張れそうだよ。
9月25日
計画立ても終わり、最終確認も終わり、
今日、任務の日だった。
任務は裏切者の制裁。
小規模だが裏切った時点で、
その組織が崩壊する事は目に見えているはずだ。
任務は成功。
怪我一つ負う事無く彼奴の執務室まで戻った訳である。
だが、執務室に帰ってみると、そこでは
彼奴と首領、そしてあと二人の頭領が何かを話していた
「たるんでるだろ」
「まぁそうかもね。でも、あんまり部下の恋愛事情に首を突っ込む気は無いし、仕事はしっかりやってるし、いいと思うけどね」
「恋愛禁止って訳でもないからな」
「まぁ、目を瞑るとしよう。で、最近琴葉君の仕事が増えていることが問題なのだが?」
「私の仕事が増えたって、大した問題は起きませんよ」
「今問題が起きてるから言ってんだろうが!」
「新しく入った構成員の管理、自分の任務の報告書、作戦立案、幹部補佐の訓練、面倒、厄介事の引き受け等々々が琴葉の仕事だろう?確かに凡て仕事は熟している。だが、以前に比べて明らかに休養の時間が減っている」
「そこで、君の仕事を暫くは幹部補佐君に投げようと思うのだが」
「え、嫌ですよ。あの二人に任せるの嫌いなんですよ?私」
「まぁ、解決方法は後で考えておくよ」
そんな会話が聞こえた。
任務の報告をしようと思って来たが、
俺と貴女は彼奴の言葉を聞いて、
その部屋に入る事を止めようと思った。
だが、これもまた仕事。
最後まで完遂しなければいけないな。
落ち込みながら執務室に入ってみると、
まぁ俺達が居たことはばれていた訳で、
会話を聞いていたこともばれていた。
そこで、思い切って琴葉が言ったことについて聞いてみた
そしたら、
「私には分からない恋愛をする二人の邪魔をしたくないから、任せたくないんだよねぇ」
と軽く答えて来た。
恥ずかしさに貴女と共に顔を赤くすると、
首領も頭領も温かい笑みを浮かべていた。
善い人ばかりなのかな。
11月10日
昨日、貴女を俺の家に誘った
リビングに案内して、カチコチに緊張していた貴女に俺はホットミルクを出した
それからしばらく話し込んで、テレビを見てゆっくり過ごしていた
時間も遅くなってきたから、帰ろうと立ち上がった貴女を俺は阻止して
「………泊まっていかないのか?」
って、言う
そして、貴女はそのまま泊まることにした
風呂に入った後、夜も遅いし
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