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繰リ返ス世界デ最高ノ結末ヲ
02.生前手記
生前手記‐水城涙‐
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どうして?
彼奴のせいでは無いだろう?
どうして?
俺が悪いのに、
俺が謝られている?
紙袋の中には黒革のいかにも高そうな手袋と
ブランド物の腕時計が入っていた。
どうして?
俺が悪いのに、
こんな物まで貰っている?
もう嫌だ。
俺が、嫌だ。
その日、俺は彼奴に謝って、
これまでの思いを全てぶつけた。
彼奴はそれを黙って聞いてくれて、
泣いた俺を慰めてもくれた。
こんな俺でも、
彼奴は認めてくれるのかな

10月3日
俺は彼奴に「能力」についての説明をした。
もしかしたら俺にも能力があるのではないか、と。
そして、少しレクチャーをされた後に実際にやってみたら、
俺にも能力があったんだ。
それが嬉しくて嬉しくて、
ついつい飛び上がってしまった
だけど、次の瞬間には
彼奴が俺と同じ能力を使っていて、
驚いたのと、ムカついた。
彼奴の能力は、
他人の能力を操る事が出来、
複製したりも出来るのだという。
俺が頑張って出した能力を、
こうも簡単に使われるとやはりムカつく。
意地悪なのか、彼奴は。

2月15日
今日、彼奴と初めて任務に行った
20分前から、彼奴が来るのをずっと駐車場で待機
彼奴は、15分前に一人で来た
朝からへらへらと笑っていて、頭にくる。
「よろしくね〜、涙
怖かったら私を呼びなさいよー」
なんて来て早々言うものだから、もう何て言ったらいいかわからなくなって、その場にしゃがんだ。それを見て彼奴はニコニコと笑った
彼奴の素敵な笑顔を見ても、今日は笑えなかった。
そして俺は今日初めて自分の手で人を殺した
ここにいる限り、いつかはしなくてはならない事だとわかっていたけど、いざ殺してみたらどうしようもなく怖くなった
罪悪感というか、何と言ったらいいか
もうどうにもできそうにない位辛くて、彼奴のところに行った。
彼奴はやっぱり、俺に優しくしてくれて、頭を撫でてくれた
そんな彼奴に甘えて、ずっと泣いた
彼奴は、こんな思いをずっとしてきたのかな

6月15日
もう何度目か分からない休暇だ。
もう休暇の回数が分からない。
全て彼奴が俺の為にやっているのか?
それとも、子供達のため?
まぁどちらでもいい
こんな子供達の笑顔に会えるんだ
悪い事なんて一つもない。
今度、彼奴に何かあげようかな
俺だって与えてもらってばかりでは癪だ。
たまにはいいかもしれない。

1月9日
【4回目の任務】
今日は、4回目の実戦任務へ行った
今もまだ人を殺める事には慣れないけど、段々罪悪感というものが薄れてきているような気がする
人を殺すのに、躊躇いがなくなった
彼奴は2,3回目の任務の実績を考慮されて、最下級構成員でなくなって、俺にも部下ができた
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