02.生前手記
生前手記‐水城涙‐
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寝ようと思っていた貴女だろうが、俺は貴女をベッドに押し倒して
「寝かせないからな?」
と、俺らしくない言葉を一つ
思い出すだけでもう、頬が火照って字も汚い
俺は本当に、幸せな奴だな
12月7日
貴女の恋人になってから、四ヶ月が経った
彼奴はいつも部屋から抜け出し、執務室に俺と貴女を残してどこかへ行ってしまう。
仕事中は、今まで通り先輩と後輩の関係
でも、お互いの家に行ったり来たりして、彼奴が仕組んだため、ほぼ毎回重なる休日には二人で行きたい所に行って
全部がとても、幸せだ
だから、こんな日がずっと続いたらいいのにって思う
だが、お互いに黒猫にいるため、何時どこで死ぬかわからない
明日、殺されてしまうかもしれないのに
それでも、今だけは貴方と二人で生きていたいなって
彼奴に相談したらなんと言われるだろうか。
またいつものようにこっそりと動画を撮りつつ、相談相手になってくれるのだろうか。
補佐なのに、こっちが頼ってばっかだなぁ。
一度、彼奴に相談してみようと思った。
2月14日
今日は、貴女と出張に行く日
本当は、貴女は本部で留守だったけれど彼奴の御陰で一緒に行ける事になった
貴女と一緒に行けてとても幸せなのだが
今回の長期任務はかなり危険で正直俺もいつ死ぬかわからないらしい
そのせいで、貴女と初めて喧嘩してしまった
俺はそんな危険な場所に私を連れて行きたくないと、言った
でも貴女は、貴方と一緒にならどこでも行くと言ったから
貴女が俺の事を心配して言ってくれたのはわかってる、だが……
4月1日
今日、貴女が今から久々に出張先で外に出る任務に同行する
俺は、始めはかなり怒っていたけど段々冷めて、貴女を必死に守ろうと尽くした
出張先でも、本部にいた頃と変わらず仲良くできている
今から行く任務は、貴女が出される程人材が不足しているらしく、敵の数があまりにも多いらしい
と言っても貴女は後ろからの司令塔だから直接手を下す事は無い
それに、後衛なら安全だろう。
彼奴は相変わらず前衛だから、きっと敵は全て前衛で片付いてしまう。
きっと安全なはずだ。
9月1日
貴女が起きるいつもの時間に部屋に行けば、そこには必死にノートに字を書き連ねている貴女の姿
今日だけは、いつもと違かった
まだ、まだ
まだ逝くな
俺をおいて逝かないでくれ
貴女の名を呼んでも、反応はない
自分の名前を、失ったのか
まだ、俺は貴女に全てを伝えられてない
俺があの時、あの能力者さえ殺していなければこうはならなかった
怒りに任せて、殺すことが解決に繋がると思っていた幼い俺が
結局、一番大切な人を殺した
俺が貴女を殺した
もう二度と、ずっと一緒だった頃には戻れない
貴女は最後まで俺を思い出さずに、消
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